木材

日本各地、世界中から様々な木材が新木場に集まります。
わたしたちはこれらの木の特性を生かして、様々なプロダクトを創りだしています。
ここでは、さまざまな”木”の特徴や魅力をご紹介します。


ラミン

Ramin2

 

名称・・・ラミン(Ramin)

その他呼び名・・・

メラウィス、南洋桧(ナンヨウヒノキ)

科目・・・ゴニスチラ(ジンチョウゲ)科–(Gonystylus)属・広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Gonystylus bancanus Kurz.
Gonystylus macrophyllus

産地・・・東南アジア、ニュージーランドを経て太平洋地域、ザハ、サラワク、インドネシア、マレーシア、ボルネオ、マラヤ、フィリピン、スマトラ、ニューギニア、ソロモン諸島、フィジー

性質・・・木理:ほぼ通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:やや緻密~やや粗、硬さ:やや硬、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.52~0.72

平均収縮率%(柾目方向):0.21

平均収縮率%(板目方向):0.39

曲げ強度MPa:118

圧縮強度MPa:67

せん断強度MPa:11.8

曲げヤング係数GPa:14.2

加工性・・・鋸挽:容易~中、鉋掛:容易~中、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易~やや困難、塗装性:中~高

用途・・・構造材、下地材、造作材、建具、家具、合板

床材、廻り縁、玩具、家具の表面材、引き出しの側板、梱包材、内装材、装飾材、器具、箸

価格・・・☆☆

無節材(2000x210x34㎜)50万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

一般に小径木が多い。樹径1.0m。違った丸太でも色合いが均一。表面の仕上りは良好。板目面、柾目面に導管の条(條)がその中に入っている物質のために赤色になって浮き出ている。乾燥時や釘打ち時に割れやすいので注意が必要。斑の模様不明瞭。水中貯木や乾燥の際など、悪臭を発することがある。樹皮に硬く尖った繊維があり、皮膚に刺さると傷みやかゆみを感じる。脆性あり。ボルネオ島に量的にまとまった蓄積があり、ラワン丸太の全盛期にも合板用材としてではなく製材用として大量に輸入されていた。欠点は、乾燥していない状態では青変菌の害を受けやすく、青色のカビが材の中に入りやすい。空気に触れると青カビによる変色が早く発生し海中に貯木している時でも空気に触れている部分の白太はすぐに青変する。その為、早く含水率を下げる必要がある。1978年にインドネシアでは丸太の輸出を禁止し、製材品としての輸出を奨励。さらに2001年4月、伐採・商業取引の禁止令を出した。またインドネシア政府は、自国からのラミンの輸出割当量をゼロにすることをワシントン条約事務局に通告している為、同国の輸出許可証がない限り、日本ではインドネシア産ラミン材は輸入不可となる。

 

備考・・・

ちなみにアガチスも南洋桧(ナンヨウヒノキ)と呼ぶようです。


ラワン

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名称・・・ラワン(Lauan)

その他呼び名・・・

セラヤ(サバでの呼び名)、メランチ(マレーシア、インドネシアでの呼び名)、フィリピンマホガニー(英名での呼び名)

科目・・・フタバガキ科–(–)属・広葉樹・散孔材・被子植物

学名・・・

産地・・・フィリピン、マレーシア、インドネシア、インド

性質・・・木理:交錯、辺心材の境目:明瞭、肌目:粗、硬さ:軟~中、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:{弱/中/強

気乾比重:0.38~0.64

平均収縮率%(柾目方向):

平均収縮率%(板目方向):

曲げ強度MPa:

圧縮強度MPa:

せん断強度MPa:

曲げヤング係数GPa:

加工性・・・鋸挽:容易、鉋掛:容易、釘打保持力:{弱/強、糊付接着性:{良好/不良、乾燥:やや困難、塗装性:{低/中/高

用途・・・造作材、合板材、家具用芯材

価格・・・☆

無節材(2000x210x34㎜)30万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:24㎜、34㎜

 

その他・・・

フタバガキ科の広葉樹の総称。「ラワン」はフィリピンでの呼び名。きわめて多数の種類が含まれる。大きくホワイトラワン、レッドラワンに分けられる。ヒラタキクイムシなどの虫害にあいやすい。フタバガキ科の通性として垂直樹脂道を多くもつ。材色により便宜的に3グループに分ける。赤ラワン類にはタンギール、レッドラワン、マヤピス、アルモンなど、白ラワン類にはホワイトラワン、バグチカンなど、黄ラワン類にはマンガシノロなどが含まれる。日本の合板用材の最も主要なものであり、パーティクルボード、ファイバーボードの原料として大きい部分を占めている。材組織は均一で光沢に富むが、大きな気孔が見られる。乾燥時に狂いが出やすい。

 

備考・・・

「ラワン」という樹種はないんですね。「SPF」の名称と似たような感じでしょうか。でもSPFはどれも見た目が似てますけど、赤ラワンと白ラワンじゃ見た目が全然違うと思うのです。・・・でも塗装すれば判らないですか。


リュウキュウマツ

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名称・・・琉球松(Ryukyu-matsu)

その他呼び名・・・

琉球赤松(リュウキュウアカマツ)、マーチ(マチ、マチィ)(沖縄での呼び名)、沖縄松(オキナワマツ)

科目・・・マツ科マツ(Pinus)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Pinus luchuensis Mayr

産地・・・沖縄地方の海岸付近に生育。

色調・・・帯黄褐色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:–、肌目:–、硬さ:–、腐食耐久性(耐朽性):–、磨耗耐久性:弱

気乾比重:

平均収縮率%(柾目方向):

平均収縮率%(板目方向):

曲げ強度MPa:

圧縮強度MPa:

せん断強度MPa:

曲げヤング係数GPa:

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:強、糊付接着性:–、乾燥:容易、塗装性:–

用途・・・

庭園樹、盆栽、保安林、街路樹、工芸品、集成材として内装・家具・フローリング材

価格・・・

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

沖縄県特有の木。日本のアカマツやクロマツと同じ二葉松類。樹高20m。年をとるにしたがって、樹冠が傘形になり美しい枝ぶりを見せる。潮風害に強い。直材が少なく、ヤニが多い。反りやすく割れやすいが強度は高い。沖縄県の県木に指定されている。銘木として観賞されているものに、国の天然記念物に指定されている久米島の五枝の松がある。

 

備考・・・

用途の欄を見てもらえば判ると思いますが、建築用にはほとんど使われていないようです。シロアリがわきやすい、という話もあるからでしょうか。
2003年に沖縄県南大東(みなみだいとう)小学校で、県内の木材の利用促進の観点から、リュウキュウマツで作った学習机といすのセットが導入されています。
2001年に輝北プレスウッド社(鹿児島県)が、リュウキュウマツを原料とした構造用LVLを開発しています。


レッドウッド

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名称・・・レッドウッド(Redwood)

その他呼び名・・・

セコイア、コーストレッドウッド、セコイアスギ、セコイアメスギ、カリフォルニアレッドウッド、赤杉(アカスギ)、センペルセコイア、イチイモドキ、アメリカスギ

科目・・・スギ科セコイア(Sequoia)属(*1)・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Sequoia sempervirens Endlicher

産地・・・アメリカの西海岸。カリフォルニア北太平洋岸の肥沃な大地にのみ自生。

色調・・・心材は淡い赤色ないし赤褐色、暗赤褐色。辺材は帯黄白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:やや粗、硬さ:軟~中(硬め)、腐食耐久性(耐朽性):強~極強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.45

平均収縮率%(柾目方向):0.07

平均収縮率%(板目方向):0.14

曲げ強度MPa:61

圧縮強度MPa:35

せん断強度MPa:6.4

曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~注意、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:良好~やや困難、塗装性:中

用途・・・造作材

屋根材、住宅の外壁材、木製サッシ、外部フェンス材、橋梁材、サイロ、液槽、ガーデン用家具、公園のベンチ、ウッドデッキ

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

学名の「セコイア・センペルビレンズ」の方が有名。環境問題、蓄積量の確保などの為今後の利用は大変難しいと思われる。日本への輸入量は多くない。ヨーロッパから輸入されているレッドウッドとは全く別の木(*2)。

 

【その他色調等】:期間がたつとかなり黒っぽくなる。表面の仕上りは良い。斑の模様は不明瞭。

【その他性質等】:針葉樹の中で最も耐久性がある。寸法安定性が高い。しかし変色が激しくアルカリ反応が激しい為(セメント等に反応して黒変する)ウッドデッキ、遊具等には嫌われる。吸水性が強く水中に入れると急速に重くなる。辺材は狭い。

【立木での性質等】:樹高約100mにもなる世界最長の木(世界最高の木:ギネスブックに掲載されている)。樹径は時に4.5mにもなる。細目の木で株や根から容易に発芽するので植林され商業的に育成ができる。同種のジャイアント・セコイア(シェラネバダ地区に限定して生育)は種子からしか発芽しなく増殖は困難とされている。樹皮が赤っぽいのでレッドウッドといわれる。分布は塩分を嫌う為直接潮風が届かない山地の比較的低い斜面に広がる。

 

*1:科目をメタセコイア属としている資料もありましたが、調べた中ではそれ1つだけで他は全てセコイア属でした。セコイア属をイチイモドキ属ともいうようです。
*2:ヨーロッパから輸入されているレッドウッドとは、欧州赤松(オウシュウアカマツ)のことです。「レッドウッド」と呼ばれて日本で良く流通しているのはオウシュウアカマツの方だと思います。


レッドオーク

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名称・・・レッドオーク(Red oak)

その他呼び名・・・

ノーザンレッドオーク、サウザンレッドオーク、スパニッシュオーク、チェリーバークオーク、ブラックオーク、シュマードオーク、スカーレットオーク、ピンオーク、ウイローオーク、ヌタールオーク、ウォーターオーク、ローレルオーク、アメリカンオーク

科目・・・ブナ科コナラ(Quercus)属・落葉広葉樹・環孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・

Quercus spp.
Quercus rubra(ノーザンレッドオーク)、

Quercus borealis(ノーザンレッドオーク)、

Quercus falcata(サウザンレッドオーク)、

Quercus falcata var.pagodaefolia(チェリーバークオーク)、

Quercus velutina(ブラックオーク)、

Quercus schmardii(シュマードオーク)、

Quercus coccinea(スカーレットオーク)、

Quercus palustris(ピンオーク)、

Quercus phellos(ウイローオーク)、

Quercus nuttallii(ヌタールオーク)、

Quercus naigra(ウォーターオーク)、

Quercus laurifolia(ローレルオーク)などを含む

産地・・・全米一帯に分布するが、中東部のものが良く知られる。テネシー、アーカンソー、ケンタッキー、モンタナの各州に多く生育。ヨーロッパ、イラン。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭~(不明瞭)、肌目:粗、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.70

平均収縮率%(柾目方向):0.15

平均収縮率%(板目方向):0.32

曲げ強度MPa:98

圧縮強度MPa:46

せん断強度MPa:12.3

曲げヤング係数GPa:12.4

加工性・・・鋸挽:容易~やや困難、鉋掛:容易~やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:中~良好、乾燥:(容易)~困難、塗装性:中~高

用途・・・造作材、建具、家具

床材、内装材、化粧合板、枕木、抗木、牧場柵、棺桶、農機具、工具の柄、木工品、箱、ボート

価格・・・☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:150x38x4000(無節\300,000/㎥)

平割:30㎜、38㎜

 

その他・・・

レッドオークはNorthern red、Scarlet、Shumard、Pin、Nuttall、Black、Southern red、Water、Cherrybark、Laurel、Willowなどの名前を冠したオーク(コナラ属)の樹種の総括樹名。柾目面にシルバーグレイン(虎斑:とらふ)が現れる。スチーム曲げに適している。耐久性はホワイトオークより劣る。日本のナラ材がこれに類する。ホワイトオークと異なり導管が大きく通っていて液体を通しやすい(導管孔にチロースという細胞壁のようなものがつまってない)ため樽材には適さない。またそのために製材寸法はホワイトオークとは全く異なる。斑の模様鮮明(虎斑)。若木の方が木目が詰んでいて綺麗。乾燥の際、収縮が激しく割れや曲がりが多くでるため、乾燥管理が難しい。樹高35m、樹径1.5m。導管が列を成しているので板目は特に肌触りが粗い。柾目板の杢はホワイトオークに比べて劣る。ホワイトオークと良く似ているが、材の色に差があるとともに、導管にチロースがないことで区別できる。衝撃に強い。

 

備考・・・

学名Quercus rubra=Quercus borealisらしいです。同じものに2つ学名がある、という意味でしょうか。詳細は不明です。


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