木材

日本各地、世界中から様々な木材が新木場に集まります。
わたしたちはこれらの木の特性を生かして、様々なプロダクトを創りだしています。
ここでは、さまざまな”木”の特徴や魅力をご紹介します。


ブビンガ

Bubinga2

 

名称・・・ブビンガ(Bubinga)

その他呼び名・・・

ケバジンゴ(ガボンでの呼び名)、エシンガン、オベシ、ワカ

科目・・・マメ科ジャケツイバラ亜科ギボーティア(Guibourtia)属・広葉樹・環孔性散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・

Guibourtia tessmannii J.Leonard
Guibourtia spp.

産地・・・カメルーン、ガボンなどの熱帯アフリカ、ナイジェリア東南部、コンゴ

性質・・・木理:通直あるいは交錯、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密~やや緻密、硬さ:硬~超硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.86~0.94

平均収縮率%(柾目方向):0.19

平均収縮率%(板目方向):0.41

曲げ強度MPa:155

圧縮強度MPa:71

せん断強度MPa:–

曲げヤング係数GPa:12.7

加工性・・・鋸挽:やや困難~困難、鉋掛:やや困難~困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:困難~超困難、塗装性:{低/中/高

用途・・・造作材、建具、家具

床材、室内装飾材、彫刻材、突き板

価格・・・☆☆☆☆☆

無節材(2000x210x34㎜)120万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

赤褐色の心材に赤ないし桃褐色の比較的不規則な縞が現れる。色合いや柄は個体差が大きい。表面の仕上りは良好。弾性があり折れや裂けに対して粘りがある。白蟻などの虫害に強い。樹高25~30m、樹径1m~2、3m。非常に太い木になり、硬質材でブビンガ以上の大径木はないと言われている。斑の模様不明瞭。ケヤキに代わり和太鼓の胴に利用される。オバンコールは同種の材。生材の時には悪臭を放つが、乾燥後は無臭。カリンに似ているので代用される。乾燥が遅く、乾燥時の狂いに注意。また乾燥が十分でないと収縮、膨張が起き易いため、広い面の床等に使用するには表面全部を塗装で包む必要がある。ロータリーカットされて美しい杢目を現わす。ロータリーカットされたものはケバチンガと呼ばれる。重硬なわりには加工しやすい。


ベイスギ

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名称・・・米杉(Western redcedar)

その他呼び名・・・

ウェスタンレッドシーダー、アメリカネズコ、シングルウッド

科目・・・ヒノキ科クロベ(ネズコ)(Thuja)属(*1)・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Thuja plicata D.Don

産地・・・北米。ロッキー山脈北部と太平洋岸北西部、バンクーバー周辺、オリンピア半島、シアトル周辺。

色調・・・心材は赤褐色、暗赤褐色。辺材は白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:中~やや粗、硬さ:軟、腐食耐久性(耐朽性):強、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.35~0.38

平均収縮率%(柾目方向):0.08

平均収縮率%(板目方向):0.17

曲げ強度MPa:54

圧縮強度MPa:32

せん断強度MPa:5.9

曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易~中、塗装性:注意

用途・・・造作材、デッキ材、建具

天井板、屋根板、ベンチ、パーゴラ、外装材、フェンス

価格・・・☆☆

無節材(2000x210x34㎜)50万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・ツーバイフォー(2x4):90x40x3660(G一等\200,000/㎥)

2x4:90x40x(1830、2440、3050、3660、4270、4880、5490、6100)

2x6:141x40x(〃)

2x8:187x40x(〃)

2x10:238x40x(〃)

2x12:289x40x(〃)

4x4:90x90x(〃)

 

その他・・・

ネズコと同属で米杉といっても米国産の「杉」という意味ではない。産出はワシントン州が一番多く、オレゴン州、アイダホ州、モンタナ州から商業ベースで産出。南へ行くほどに材色の赤が強く褐色が薄く綺麗になり、日本では天井板用になる原木として人気。北米での米杉の一番多い用途は屋根葺き用の「シングル」と呼ばれている突柾。木粉がアレルギー喘息(ぜんそく)(いわゆるベイスギぜんそく)の原因にもなるので注意。

 

【その他色調等】:部分的に黒ずんだ黄褐色が現れ、色調が均一でなく、汚れた感じを与えることが欠点。年輪幅は均一。辺材は狭い。斑の模様不明瞭。色相は経年変化により、軟らかな銀色を帯びた渋さを呈する。表面の仕上りも良好。

【その他性質等】:杉特有の芳香はなく、別な特有の芳香がある。水湿に対する腐朽性が非常に強い。心材の割合が多く、防腐・防虫効果の高いフェノールを多く含んでいるため針葉樹の中では耐久性の高い方である。1立方センチメートルあたり60万個近くも気泡が存在するという均一な細胞構造から、針葉樹の中でも最小の比重と寸法安定性、加工性がある。

【その他加工等】:均一でない色調でも最近では木材の漂白、染色の技術が進歩し美しい材面に加工することができる。

【立木での性質等】:樹高は50m以上、直径は1.0~1.25m。米松と混成状態で生育。

 

*1:属名の和名はクロベ属ともネズコ属とも言います。ネズコ(鼠子)=クロベ(黒檜、黒部)ですので、どちらでも良いと思います。


ベイツガ

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名称・・・米栂(Hemlock)

その他呼び名・・・

ヘムロック、ウェスタンヘムロック、ベイトガ、ヘム・ファー(ベイモミと一括しての呼び名)、カナダツガ(*1)

科目・・・マツ科ツガ(Tsuga)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Tsuga heterophylla  Sarg.

産地・・・北アメリカ大陸(アラスカ州南部から米国の南西部までの太平洋沿岸地域)、北米太平洋岸地方のロッキー山脈・オレゴン・カリフォルニア・アリゾナ地方、BC州南東部からアイダホ北部までのカスケード山脈

色調・・・心材は白味を帯びた淡黄褐色、帯淡黄灰白色。辺材は灰白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密~やや粗い、硬さ:中庸硬め、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.46~0.48

平均収縮率%(柾目方向):0.10

平均収縮率%(板目方向):0.32

曲げ強度MPa:74

圧縮強度MPa:40

せん断強度MPa:7.8

曲げヤング係数GPa:10.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~注意、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:やや困難、塗装性:中

用途・・・構造材、下地材、造作材、建具

鴨居、長押、土台(防腐処理されて)、パルプ用材、箱材

価格・・・☆

無節材(2000x210x34㎜)40万/㎥

メーカー・・・ウェスタン・フォレスト・プロダクツ(WFP)、ティンバーウエスト、インターフォー

一般流通サイズ・・・スジカイ:90x45x4000(KD#1\80,000/㎥)

柱・桁:105x105x(3050、4000)

母屋:90x90x(3050、4000)

ネダ:105x45x(3050、4000)

スジカイ:90x45x(3050、4000)

 

その他・・・

オールドグロス(原生林物)はシアトル以北のカスケード山脈の太平洋岸沿岸に群生しているのが多く見られる。北限はアンカレッジ周辺、南限はタコマ周辺。それより南はセカンドグロス(二次成林)で目が粗い木に変わる。日本で製材原料として需要の多い原木はエバレット周辺のカナダ国境に近い地域から産出されるカスケード物とよばれる木材。カナダ以北は原木が輸出禁止?なので製材品やキャンツで出荷されている。バンクーバー島には良材がある。蓄積が多いのはワシントン州、オレゴン州。日本の都市部の(特に低価格の)住宅の柱に良く利用されている。価格が安い為、日本では杉と競合。日本に輸入する際、モミ類と一緒にHem-Fir(ヘム・ファー)と呼んで取り扱っている。薬剤注入が容易なため防腐土台としても使用。

 

【その他色調等】:ベイマツより黄色味が強いのが特徴。木目は明瞭。光沢がある斑の模様は不鮮明。日本産のツガと比較すると、年輪幅の広いものが多い。

【その他性質等】:乾燥すれば無味無臭。入皮のような欠点が多く見られる。水分があるところでは腐りやすい。割れやすい。性質は日本産のツガと似ていると言える。

 

*1:ベイツガのなかでもカナダ(太平洋沿岸のBC州)産のものを特に「カナダツガ」と呼んでいるところもあります。詳しくはこのツガ属のベイツガ(学名:Tsuga heterophylla )とモミ属のアマビリスファー(学名:Abies amabilis )の両樹種を総称して、カナダツガと呼んでいるようです。管理や格付けが厳正にされていて、ブランドみたいな扱いになっています。


ベイヒ

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名称・・・米桧・米檜(Port orford cedar)

その他呼び名・・・

ポートオーフォードシーダー(ポートオブシーダー)、ピーオーシーダー、ローソンサイプレス(ローソンヒノキ)、ベイヒノキ、オレゴンシーダー、ホワイトシーダー、ジンジャーパイン

科目・・・ヒノキ科ヒノキ(Chamaecyparis)属・針葉樹・裸子植物

学名・・・Chamaecyparis lawsoniana Parl.

産地・・・北米のオレゴン州南部からカリフォルニア州北部。分布は比較的狭い。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭(~不明瞭)、肌目:緻密~中(~やや粗)、硬さ:やや軟~中、腐食耐久性(耐朽性):強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.46

平均収縮率%(柾目方向):0.14

平均収縮率%(板目方向):0.20

曲げ強度MPa:69

圧縮強度MPa:29

せん断強度MPa:8.8

曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽:容易、鉋掛:容易~やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易、塗装性:中

用途・・・構造材、造作材、建具、家具

木製サッシ、内装材、船舶、ボートのデッキ、カウンター、葬式の大看板、水槽、器具、蓄電池セパレータ、内・外装用の壁材、フローリング、衣類箱、アーチェリーの矢

価格・・・☆☆☆☆☆~(*1)

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

心材は黄白色~淡黄褐色、ないし黄褐色、桃褐色、淡黄薄褐色。辺材は白色~淡黄白色。または全体に白ないし淡黄白色。しばしば心辺材の区別がつかないことがある。年輪幅は均一だが、年輪内での細胞の形の違いは少ないため年輪はとくにはっきりしない。狂いが少なく寸法の安定性は良い。材質が日本の木曾檜と良く似ている為、日本ではヒノキの代用品としての用途が高い。強度は国産ヒノキよりやや劣る。ヒノキのような匂いがあるが、むしろそれより強く刺激的である。斑の模様不明瞭。変色菌が比較的に早く付着して青色に変色しやすい欠点がある。表面仕上げは良好で、光沢が出る。酸に対する抵抗大。酸味がある。樹径1.7m。

 

*1:赤柾などの銘木レベルのベイヒは¥300万/㎥てとこでしょうか。日本のヒノキより安い(安かった)ようですが・・・絶対的には決して安いものではないですね。


ベイヒバ

Beihiba

 

名称・・・米檜葉(Yellow cedar)

その他呼び名・・・

イエローシーダー、アラスカシーダー、シトカサイプレス、イエローサイプレス、アラスカ桧(*1)

科目・・・ヒノキ科ヒノキ(Chamaecyparis)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Chamaecyparis nootkatensis Spach.

産地・・・アラスカからオレゴン、カリフォルニア北部にかけてのカスケード山脈太平洋岸。バンクーバー周辺に多く生息。

色調・・・心材は淡い黄色、黄色。辺材は白色から黄白色、淡黄白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:やや緻密~中、硬さ:やや軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):極強(赤味)、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.50

平均収縮率%(柾目方向):0.08

平均収縮率%(板目方向):0.18

曲げ強度MPa:69

圧縮強度MPa:37

せん断強度MPa:7.8

曲げヤング係数GPa:9.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:強、糊付接着性:中~良好、乾燥:容易、塗装性:要注意

用途・・・構造材、造作材、家具

土台、軒裏、内装材、船舶材、木型、楽器材、枕木。

価格・・・☆☆~☆☆☆

無節材(2000x210x34㎜)90万/㎥(幅が105㎜以下なら50万/㎥程度)

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜

 

その他・・・

日本ではヒバの代用として使われる。強烈な匂いと材色が黄色いので表面に出るような部材に使われる例は少ない。

 

【その他色調等】:年輪幅は均一で狭いものが多い。年輪内での細胞の形の違いが少ないので年輪はあまりはっきりとしない。材色は長期間経つと濃くなる。斑の模様不明瞭。米桧より材面に光沢あり。辺材の巾は狭い。

【その他性質等】:材の安定性に優れる。材には特有の臭気があり生材の時には強い。その香りが青森ヒバに良く似ているので米ヒバと呼んでいるがヒバの類ではなくヒノキの類である。またヒノキチオールに類似した物質が含まれているため耐腐朽性に優れシロアリに対しても抵抗力を持つ。アテが少なく青森ヒバより性質の良い木。特に水湿に強い。

【立木での性質等】:樹高は30m、直径は1mくらい。純林を形成しなく蓄積量は多くない。

 

*1:アラスカ桧というと米ヒバではなくスプルースを指す事の方が多いようです。