名称・・・山桜(Wild cherrytree)
その他呼び名・・・
本桜(ホンザクラ)、桜(サクラ)、シロヤマザクラ、オオヤマザクラ(エゾヤマザクラ、ベニヤマザクラ)、カスミザクラ(オクヤマザクラ)
科目・・・バラ科サクラ亜科サクラ(Prunus)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)
学名・・・
Prunus jamasakura
又はPrunus donarium Sleb. var.spontanea
産地・・・本州、四国、九州、朝鮮半島
性質・・・木理:ほぼ通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密、硬さ:中~やや硬、腐食耐久性(耐朽性):中、磨耗耐久性:強
気乾比重:0.48~0.62~0.74
平均収縮率%(柾目方向):0.17
平均収縮率%(板目方向):0.31
曲げ強度MPa:103
圧縮強度MPa:44
せん断強度MPa:9.8
曲げヤング係数GPa:11.8
加工性・・・鋸挽:容易~中、鉋掛:容易~中、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:中~やや困難、塗装性:中~高
用途・・・造作材、家具
器具、楽器材、彫刻材、燻煙材(スモークチップ)、版画の台木、ソロバン玉、漆器の木地、薪炭
価格・・・☆☆☆☆☆~
無節材(2000x210x34㎜)200万/㎥
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・
その他・・・
蓄積量は少ない。年輪はやや不明瞭~やや明瞭。心材は褐色で時に暗緑色の縞模様を呈する。磨くと光沢が出る。均質で狂いは少ない。粘りがあり、もろくない。斑の模様不鮮明。樹高20m。割裂しやすいので注意が必要。生育中の虫の害を受け易い。その為か、材にはその傷あとが癒合した組織(ピスフレック)の小さい斑点が多数出ている。ヤマザクラは日本で最もポピュラーで香りの強い燻煙材として人気が高い。樹皮は秋田県角館町の樺皮細工という工芸品などに使われている。家具材などでサクラといっているのは、ほとんどがカバノキ類である。日本に自生するサクラ類には大島桜(オオシマザクラ)、エドヒガン、マメザクラ、丁字桜(チョウジザクラ)などがあり、これらの材はヤマザクラとほぼ同様。その他サクラ類には、本州中部以北、北海道、南千島、サハリン、中国東北部、シベリアなどに分布するシウリザクラ(Prunus ssiori)、北海道、本州、四国、九州に分布するウワミズザクラ(Prunus grayana)など多数の種類、品種がある。木材として利用される量は少なく、むしろ貴重な材料となる。ヤマザクラの樹皮の内側から桜皮と呼ばれる生薬がとれ、煎じて咳の薬としたり、エキスを鎮咳薬として使う。マカンバあるいはミズメなどのカンバ類の木材のことをサクラ、あるいはカバザクラ、ミズメザクラと呼んで、あたかもサクラ類の木材であるように取り扱っているが、カンバ類は色がやや似ている程度で、材面はずっと均一で変化がない。それらと区別するためにヤマザクラはホンザクラと呼ばれる。
備考・・・
ヤマザクラの学名は2つあるようです。学名をつけるのに分類学上混乱があったことが原因のようです。ちなみにvar.spontaneaとは「自生する」という意味の学名らしいです。