名称・・・ホワイトウッド(White wood)(*1)
その他呼び名・・・
欧州唐桧(オウシュウトウヒ)(ヨーロッパ唐桧(ヨーロッパトウヒ)、ヨーロッパスプルース、ヨーロピアンホワイトウッド、ノルウェースプルース、ドイツ唐桧(ドイツトウヒ)、ドイツ松(ドイツマツ)(*2))、北洋蝦夷松(ホクヨウエゾマツ)(ソ連蝦夷松(ソレンエゾマツ)、スプルース、エリアンスカヤ(現地ロシアでの呼び名))
科目・・・マツ科トウヒ(Picea)属・常緑針葉樹・裸子植物
学名・・・
Picea abies (オウシュウトウヒ)、
Picea jezoensis (ホクヨウエゾマツ)(*3)
産地・・・欧州全域、ロシア連邦、シベリア大陸、中国北東部、黒竜江周辺、千島列島、樺太、北海道
色調・・・心材は淡い黄桃色、極淡黄白色。辺材は黄白色、極淡黄白色。
性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:やや緻密、硬さ:軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:弱
気乾比重:0.47~0.6
平均収縮率%(柾目方向):0.16~0.18
平均収縮率%(板目方向):0.28~0.36
曲げ強度MPa:68*
圧縮強度MPa:30*
せん断強度MPa:7.8~8.8*
曲げヤング係数GPa:9.3*
加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~やや困難(樹脂による障害)、釘打保持力:やや弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:注意
用途・・・構造材、下地材、建具
梱包用材、器具材、パルプ用、集成材、ヴァイオリンの表板、ピアノの響板
価格・・・☆
メーカー・・・ストゥーラエンソティンバー(フィンランド)
一般流通サイズ・・・間柱:105x27x3000(KD#1\80,000/㎥)
集成管柱:105x105x3000
カリスジ:105x27x4000
間柱:105x27x3000
72x33x(3000、4000)
その他・・・
北米産のスプルース類の代替材として利用られていた。ヨーロッパではオウシュウアカマツと共に最も普通に見られる造林樹種の一つ。ヨーロッパではクリスマツツリーとしてもよく使われる。
【その他色調等】:鉋(カンナ)の削り面には光沢が有り、仕上りは良好。斑の模様不鮮明。色が白く揃っていて、節は小さい。
【その他性質等】:乾燥による収縮が比較的小さく、狂いが少ない。脂条が多く見られる。音響的性能が優れている為、楽器用材としても使われる。北海道産エゾマツより比重がやや重たい。比較的欠点が少なく、材質も均一で歩留まりの良い製材原料である。
【立木での性質等】:大陸では樹高30~50m、直径0.6~1mに達するが、スカンジナビア半島のものはあまり大きなものはない。
備考・・・
オウシュウトウヒとホクヨウエゾマツを分けている場合も有ります。どちらもホワイトウッドと呼びますが、一般にホワイトウッドと言うと、オウシュウトウヒ(=ヨーロッパ産)の方を指す事が多いかもしれません。
*1:米国でホワイトウッドというとイエローポプラ(ユリノキ)を指す事があるようです。もちろん上でいってるホワイトウッドとは別物です。
*2:ドイツマツというと、ジャーマンスプルース(学名:Picea excelsa )を指す場合もあります。
*3:学名をPicea jezonensis とする資料もいくつかありましたが、たぶんPicea jezoensis で良いと思います。ちなみに北海道産のエゾマツも、いわゆるホクヨウエゾマツとは生育地や環境が違う為、性質は若干異なるようですが学名はPicea jezoensis で同じです。