ベニマツ

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名称・・・紅松(Korean pine、Kedr)

その他呼び名・・・

朝鮮松(チョウセンマツ)、朝鮮五葉(チョウセンゴヨウ)、朝鮮五葉松(チョウセンゴヨウマツ)、ホンスン、ケードル(ロシアでの呼び名)

科目・・・マツ科マツ(Pinus)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Pinus koraiensis Sieb. et Zucc.

産地・・・極東シベリア、朝鮮、中国黒龍江省沿岸地域。日本では栃木、群馬、長野、岩手など本州中部の亜高山地帯。

色調・・・心材は淡黄褐色ないし淡紅色、淡黄赤色、淡黄薄褐色。辺材は黄白色、淡黄白色、白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密、硬さ:軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.34~0.41(平均値)~0.51

平均収縮率%(柾目方向):0.17

平均収縮率%(板目方向):0.36

曲げ強度MPa:67

圧縮強度MPa:33

せん断強度MPa:8.3

曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易、塗装性:中

用途・・・下地材、造作材、建具

敷居・鴨居、鋳物用の木型、彫刻用材、器具

価格・・・☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・サンギ:48x24x4000(一等\65,000/㎥)

 

その他・・・

日本にも分布しているが、市場で取り扱われているものはロシア産のベニマツが主ある。マツ類を硬松と軟松に分けるときにはベニマツは軟松のグループに入れられる。ロシア材では最も有用な樹種として高い評価である。しかしこの樹種は幹の中心部が菌の害を受け易くほとんどといって良い程丸太は空洞になっている為、木材として利用する場合は外側の部分が使われる。2007年現在、製材品に挽かれて輸入されるケースが多くなった。朝鮮では食用のため種子の採取を目的とした林業がある。

 

【その他色調等】: 年輪幅の狭いものが多い。斑の模様不明瞭。

【その他性質等】: 材の狂いは少ない。割れやすいので注意。材種はヒメコマツと同じで若干比重が重く全体的に粘っこい感じがある。軸方向細胞間道(樹脂道)がありそこから滲み出るヤニで材面が汚くなっていることが普通。硬松類に比較すると年輪の中の細胞の形の違いが少なく、そのため年輪はずっと見分けにくくなり木材は軽軟。寸度の安定性があるため古くから木型用材として使われる木材の代表的なものの一つになっている。

【立木での性質等】:山地に生え、樹高35m、樹径1.5mの大木になる事も珍しくない。