ビーチ

Beech2

 

名称・・・ビーチ(Beech)

その他呼び名・・・

アメリカンビーチ(アメリカブナ)(*1)、ヨーロピアンビーチ(ヨーロピアンブナ、ヨーロッパビーチ、ヨーロッパブナ、欧州椈(オウシュウブナ))(*2)

科目・・・ブナ科ブナ(Fagus)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・

Fagus grandifolia(アメリカンビーチ)、

Fagus sylvatica(ヨーロピアンビーチ)

産地・・・アメリカ東部全域(主として中西部及びアパラチアン地域に多い)、ヨーロッパ各地。

色調・・・心材は淡紅褐色から濃紅褐色、乳白色(暗褐色の偽心)、赤褐色。辺材は紅白色、白色、淡褐色。

性質・・・木理:通直あるいは不規則、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.63~0.72

平均収縮率%(柾目方向):0.20

平均収縮率%(板目方向):0.45

曲げ強度MPa:102

圧縮強度MPa:50

せん断強度MPa:13.8

曲げヤング係数GPa:11.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:困難、塗装性:{低/中/高

用途・・・造作材、建具、家具、合板

床材、食品容器、食器棚、衣装箱、チーズボード、樽、楽器材、轆轤(ろくろ)細工、防腐処理をして鉄道枕木

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:26㎜、45㎜、60㎜

 

その他・・・

衝撃に強く、粘りがある。スチーム曲げに適している。色調は、アメリカンビーチがヨーロピアンビーチに比べやや色が濃く、色むらがある。ヨーロピアンビーチの方が色が淡く上品。材面に放射組織の小さな斑点が現れるのが特徴(ヨーロピアンビーチ)。木目に布目模様の杢模様がある。斑の模様明瞭。表面仕上がりは美しいく、ステイン塗装仕上げや、艶出し加工による仕上がりも美しい。乾燥は早いが、乾燥収縮が大きく、反り、表面割れ、木口割れなどを起こしやすく、また変色しやすい。加工は容易だが鋸を噛んだり、孔あけの際に焦げたりすることがあり、また釘を打つ際に割れることがある。釘打やネジは予め穴を開けた方が良い。無味無臭な材のため、食品容器や、食器棚、衣装箱、フローリングに適する。腐りやすい為、湿気のあるところでの利用には不適である。害虫の被害も受けやすいが、浸透性があり防腐処理に適している。オハイオ河及びミシシッピイ河渓谷地域に分布するものが最も大きくなるとのことで、処によっては樹高30m、樹径3.5mになるものもある。日本産のブナ材と良く似ていて区別しにくい。白太(辺材)はシロブナ、赤味(心材)はアカブナのように見える。

 

備考・・・

ビーチといえばブナ類のことを指しますが、ブナ類は産地によってアメリカ産、ヨーロッパ産、日本産の3つに大きく分けられると思います。一般的には「ビーチ」と呼べば日本産以外のアメリカ産かヨーロッパ産を指すでしょう。

 

*1:アメリカンビーチをイエローバーチや、ポプラと呼ぶことがあるかも知れませんが、それぞれカバノキ科や、ヤナギ科の別種類があります。そう呼ぶことがあるのかの真偽も不明です。
*2:ヨーロピアンビーチをイングリッシュビーチや、ターキッシュビーチ、フォレストビーチなどと呼ぶことがあるようです。これも真偽不明です。