名称・・・姫小松(Japanese white pine)
その他呼び名・・・
五葉松(ゴヨウマツ)、五葉(ゴヨウ)、姫五葉(ヒメゴヨウ)、北五葉(キタゴヨウ)(北五葉松(キタゴヨウマツ)、ヒダカゴヨウ)(*1)、マルミゴヨウ、キクゴヨウ
科目・・・マツ科マツ(Pinus)属・常緑針葉樹・裸子植物
学名・・・
Pinus parviflora (ゴヨウマツ=ヒメコマツ)、
Pinus parvifloravar. pentaphylla (キタゴヨウ)(*2)
産地・・・北海道から九州までの山地に自生。
色調・・・心材は淡黄紅色~淡紅色、淡黄薄褐色。辺材は淡黄白色、白色、黄白色。
性質・・・木理:通直、辺心材の境目:やや明瞭~明瞭、肌目:やや緻密、硬さ:軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:弱
気乾比重:0.36~0.45~0.56
平均収縮率%(柾目方向):0.14
平均収縮率%(板目方向):0.25
曲げ強度MPa:69
圧縮強度MPa:34
せん断強度MPa:7.8
曲げヤング係数GPa:6.9
加工性・・・鋸挽:容易、鉋掛:容易、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易、塗装性:高
用途・・・造作材、建具、家具
天井板、鴨居、敷居、仏壇、彫刻、漆器木地、ピアノ響板、鋳物の木型
価格・・・☆
無節材(2000x210x34㎜)40万/㎥
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・平割:34㎜
その他・・・
日本特産。樹高20~30mに達するものもある。樹径0.6m。年輪幅は狭く均一。アカマツやクロマツなどの二葉松に比べ木目が細かく軽軟で狂いが少ない。生節の現れることが多い。比較的ヤニが少なく、しかも均等に入っているので扱いやすい。心材に近いほど落ち着いている。素直な木なので、割れが入りにくいようである。加工時は割れやすいので注意が必要。早材から晩材への移行は緩やかな為、肌目はアカマツ等に比較すると精。かなり脂っぽい感じがあるのも特徴。五葉松(ごようしょう)に属し、針状葉が5本ずつ束生する。斑の模様不明瞭。本州中部以南のゴヨウマツは木材としての利用は少なく、盆栽や庭園観賞用である。用材として使われる木はキタゴヨウマツで尾根筋に多く自生している。搬出に費用が掛かるが、乾燥したものは狂いが少なく木型材に最適で、削り上りが非常に良いため自動車、機械、事務機等の模型の製作に使われる。蓄積が少なくなり、ロシアから輸入されるチョウセンマツ(チョウセンゴヨウ)で代替されている。
備考・・・
ちなみにダイオウショウ、シロマツが3本葉です。
*1:細かく言うと、キタゴヨウはゴヨウマツ(=ヒメコマツ)の変種になります。
*2:学名の変更があったようで、以前はキタゴヨウはPinus pentaphlla、ゴヨウマツはPinus pentaphlla var. himekomatsu という学名で、ゴヨウマツがキタゴヨウの変種という扱いだったそうです。また当時はキタゴヨウの方をヒメコマツと呼んでいたようです。それなのにキタゴヨウではなくゴヨウマツの学名のほうに「himekomatsu」の文字が入ってるのは、分かりにくいですよね。少し分かりにくいのでまとめると、現在はヒメコマツと呼ばれるゴヨウマツは本州中南部以南に多く、盆栽や観賞用が主で、一方、キタゴヨウは本州中部以北や北海道に多く、木材としての利用が多い。以前はキタゴヨウをヒメコマツと呼んでいた。・・・ということでしょうか。関係ないですけど、ゴヨウマツの正式な学名はPinus parviflora Sieb. et Zucc.です。「Sieb.」とはあのシーボルトのことらしいです。彼が命名者なんですね。