ヒバ

Hiba

 

名称・・・檜葉(Hiba arborvitae、Aomori cypress)

その他呼び名・・・

翌檜(アスナロ)、アスヒ、シロビ、アテ(マアテ、クサアテ、カナアテ)、アテビ、ヒノキアスナロ(*1)、青森ヒバ、能登ヒバ、羅漢柏(ラカンハク)、羅漢松(ラカンショウ)

科目・・・ヒノキ科アスナロ(Thujopsis)属(*2)・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・

Thujopsis dolabrate (アスナロ)
Thujopsis dolabrata var. hondae (ヒノキアスナロ)

産地・・・北海道南部から本州、四国、九州。特に青森県の美林が有名

色調・・・心材は淡黄色。辺材は黄白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:やや不明瞭、肌目:緻密、硬さ:やや軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.37~0.45(平均値)~0.55

平均収縮率%(柾目方向):0.19

平均収縮率%(板目方向):0.27

曲げ強度MPa:74

圧縮強度MPa:39

せん断強度MPa:7.4

曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:良好~やや困難、塗装性:中

用途・・・構造材、造作材、建具、家具

土台、根太、船舶材、土木材、枕木、器具、風呂桶、漆器素地

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

日本特産。平泉の中尊寺がヒバを使って建てられている。「最高のヒノキに明日にはなろう」の意味でアスナロとも呼ぶ。木曾五木の一つに数えられる。また日本三大美林の一つに数えられ、青森ヒバと呼んで取引される。北海道から東北地方に分布しているものは「ヒノキアスナロ」、東北地方から能登半島にかけては「アテ」、本州以南・四国・九州の高い山地でみられるものは「アスナロ」と呼ばれている。輸入材のベイヒバとは同一種ではない。

 

【その他色調等】:表面の仕上げは良好。斑の模様は不明瞭。

【その他性質等】:特有の匂いがある。アテが出やすい欠点がある。水湿によく耐える。乾燥段階で干し割れしやすい。年輪内の細胞の形の違いが少ない。抗菌性のあるヒノキチオールが存在することで注目されている。

【立木での性質等】:アスナロは関東平野より以西に分布。アスナロ変種とみられるヒノキアスナロは北海道の渡島半島南部から日光付近を南限として分布している。主に下北半島と津軽半島に群生。能登半島では広く造林されている。

 

*1:ヒノキアスナロはアスナロの変種ということらしく2つを分けている場合もあるようですが、どちらも「ヒバ」で良さそうです。ちなみに有名な青森ヒバはアスナロではなくヒノキアスナロの方なんですね。
*2:科目をヒノキ属とする資料もありますが、「Thujopsis」はアスナロ属でヒノキ属は「Chamaecyparis」のようですから、アスナロ属で良いと思います。アスナロ属はアスナロのみの一属一種のようです。