ハルニレ

Harunire2

 

名称・・・春楡(Japanese elm)

その他呼び名・・・

アカダモ、コブニレ、エルム、ニレ(*1)

科目・・・ニレ科ニレ(Ulmus)属・落葉広葉樹・環孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Ulmus davidiana var. japonica  (Rehder) Nakai

産地・・・北海道、本州、四国、九州と広いが、大部分は北海道に産する。また、樺太(サハリン)、千島、朝鮮、中国、シベリアなど広域に生育する。

色調・・・心材は淡褐色、暗赤褐色、暗褐色。辺材は黄白色、淡灰白色。

性質・・・木理:ほぼ通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:粗、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):弱~強、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.42~0.63(平均値)~0.71

平均収縮率%(柾目方向):0.22

平均収縮率%(板目方向):0.42

曲げ強度MPa:78

圧縮強度MPa:39

せん断強度MPa:8.8

曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):やや困難、鉋掛(カンナガケ):やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:困難、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具、合板

器具材、車両材、枕木、彫刻

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜、60㎜

 

その他・・・

一般に言うニレは、ニレ科の樹木の総称で、「ハルニレ」のほか「アキニレ」「オヒョウ」(*2)などがある。(*1)

 

【その他色調等】:木目は明瞭で美しい。コブや根に近い箇所(バール)には特に美しい杢が出る。斑の模様は繊細美麗。タモを赤くして油気を抜いたような木目の為、アカダモとも呼ばれる。

【その他性質等】:やや重硬。ねばりがあり、曲木に適する。割裂は困難。凍裂やカボチャ状になる欠点が多い樹種で、平均して原木が太い割には幅広材が採れない。

【その他加工等】:表面の仕上がりはあまり良くない。人工乾燥によって狂いの出ることが多い。

【立木での性質等】:樹高25~30m、樹径1.2mにも達する。北海道では大径木が産出され、北海道の広葉樹の中で量的に多い部類に入る。東北地方の山岳の渓流沿いの肥沃地にも大木が見られる。

 

*1:ニレというと、一般にはハルニレを指す事の方が多いようです。
*2:オヒョウは木材自体よりも樹皮の方が有名で、強靭な繊維がアイヌ民族衣装の厚司(あつし)や縄にされます。材質は狂いやすい木で嫌われています。