ネズコ

Nezuko2

 

名称・・・鼠子(Japanese red cedar)

その他呼び名・・・

黒檜(黒部)(クロベ)、クロビ、イヌビ(関東での呼び名)、ゴロウヒバ、クロベスギ

科目・・・ヒノキ科クロベ(Thuja)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Thuja standishii (Gordon) Carr.

産地・・・本州北部から中部、中国、四国地方に分布。多くは、中部の山地に生える。特に木曽谷周辺、隠岐島、紀伊半島中部、伊豆半島、房総半島等の山地。

色調・・・心材は黄褐色、くすんだ黄褐色、褐色、灰褐色。辺材は狭く、黄白色、白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密、硬さ:軟、腐食耐久性(耐朽性):中庸~強、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.30~0.36(平均値)~0.42

平均収縮率%(柾目方向):0.10

平均収縮率%(板目方向):0.19

曲げ強度MPa:49

圧縮強度MPa:29

せん断強度MPa:5.4

曲げヤング係数GPa:6.9

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:高

用途・・・建具、家具

天井材、障子、戸、和机、器具材、下駄、曲物、指物

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

日本特産。木曾五木の一つ。昔は樹皮を火縄に用いた。ネズコの名前は、材色が鼠色であることから。同じ属にアメリカ産のベイスギがある。

 

【その他色調等】:時間が経つと黒ずんでくる。斑の模様不明瞭。早材から晩材への移行がかなり急なため、年輪ははっきりと見える。年輪幅は狭い。

【その他性質等】:軽軟な材で、割れやすい。スギと同様に芳香を放つ。木曽谷周辺以外の木は大変枝振りが良い樹形ため、節が多く利用用途が少ない。

【その他加工等】:加工性は良いが、加工の時に細かい粉をふいたようになり易く、表面仕上げはあまり良好でない。

【立木での性質等】:樹高約30m、樹径0.8m程度。往々にしてねじれが出やすく、分枝も割合と低い部分からたくさん出る性質がある。樹皮は赤褐色で、鱗片状に剥がれる。植林されてなく、天然木のため木材としての生産量は少ない。ヒノキやサワラと混生し、他にアスナロやコメツガと混生している所もある。ヒノキやサワラに比べ寒地に良く耐え、やせ尾根や岩の間でも良く育つタフな木である。