ダケカンバ

Dakekanba2

 

名称・・・岳樺(Erman’s birch、Gold birch)

その他呼び名・・・

ダケカバ、草紙樺(ソウシカンバ)、エゾノダケカンバ、雑樺(ザツカバ)(原木でマカンバに対し)(*1)

科目・・・カバノキ科カバノキ(Betula)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Betula ermanii

産地・・・北海道~近畿地方、四国の亜高山帯に生える。千島、サハリン、朝鮮、中国東北、ロシア沿岸州、カムチャッカなどにも広く分布。

色調・・・心材は淡紅褐色から淡褐色。辺材は白色。もしくは心材、辺材ともに淡い黄白色、淡褐色。

性質・・・木理:通直~交錯、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:{弱/中/強

気乾比重:0.68

平均収縮率%(柾目方向):0.17

平均収縮率%(板目方向):0.31

曲げ強度MPa:103

圧縮強度MPa:47

せん断強度MPa:13.7

曲げヤング係数GPa:12.7

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~中、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:{弱/強、糊付接着性:中、乾燥:中~やや困難、塗装性:注意

用途・・・造作材、家具、合板

建築内装材、フローリング、車両材、器具材、機械材、パルプ材、薪炭材、曲木細工、彫刻

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

材そのものの性質はほとんどマカンバと同等と考えて良いが、樹幹がマカンバのように素直でない。そのため木理が複雑になり繊維の方向も乱れているものが多い。コブ、腐れなどの欠点もより多く出ると思われる。材質的には同属のマカンバやミズメに劣る(*2)が、それらの代替材として用いられている。樹高10~15mで、大きいものは30mにも達する。樹径0.3~0.6m。年輪はやや不明瞭。材は均質である。乾燥で狂いが生じやすい。カバ材は逆目が多い為、塗装の際色ムラがでやすい。カバノキ属の寿命はシラカバに代表されるように短いものが多いが、ダケカンバは長寿である。

 

*1:ダケカンバは樹形が悪いなどの理由に加え、マカンバのような赤い心材を持たないため、「雑カバ」と称され低い評価を受けているようです。言い換えると材色の赤いマカンバの価値が高いということです。ちなみにシラカバも同様に、小径木が多いことと赤い心材を持たないため「雑カバ」と呼ばれるようです。
*2:一方では「ダケカンバは市場名を雑カバと呼ぶが、赤味が極く少なく、非常に美しい白味の多いものがあり、一般の取引では目白カバといっており、白味の質はマカンバより良く、ネジレもなく真直板や単板がとれるため、突板用として最適である。製材にしても良質で評価がよい。」という話もあります。