名称・・・セプター(Sepetir)
その他呼び名・・・
セペチール、セペティア、スーパ(フィリピンでの呼び名)、シンドラ(シンドール)(インドネシアでの呼び名)、セプターパヤ(セペチールパヤ)
科目・・・マメ科シンドラ(Sindora)属、プセウドシンドラ(Pseudosindora)属・広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)
学名・・・
Sindora spp. (Sindora coriacea Prain.などを含む)(*1)、
Pseudosindora palustris Sym.
産地・・・マレーシア、インドネシア、フィリピン、ブルネイ、タイ、カンボジアなどに分布。
色調・・・心材は紅色を帯びた褐色から黄褐色、桃色を帯びるものから濃い赤褐色になるものまである。辺材は麦藁(むぎわら)色。
性質・・・木理:通直~浅く交錯、辺心材の境目:やや不明瞭~明瞭、肌目:やや緻密~やや粗、硬さ:やや硬~硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強
気乾比重:0.57~0.76(*2)
平均収縮率%(柾目方向):0.13
平均収縮率%(板目方向): 0.26
曲げ強度MPa:91
圧縮強度MPa:46
せん断強度MPa:13.5
曲げヤング係数GPa:14.4
加工性・・・鋸挽(ノコビキ):中~やや困難、鉋掛(カンナガケ):中~やや困難、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好~中、乾燥:中~困難、塗装性:中
用途・・・造作材、建具、家具、合板
床柱、フローリング、内装材、装飾用材、突き板、トラックのボディ、銃床
価格・・・☆
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・
その他・・・
Sindora属はマレーシア、タイ、カンボジア、フィリピン(スマトラ島、ボルネオ島、スラウェシ島、ジャワ島)などに分布していて、約20種が知られている。Pseudosindora属の場合は1種がマレーシアのサラワク州の海岸に近い地域に分布しているのみである。Sindora属とPseudosindora属(セプターパヤ)は良く似ているが、Sindora属の木材には軸方向細胞間道(樹脂道)があり、それが同心円状に配列しており、一方Pseudosindora属は軸方向細胞間道(樹脂道)を持たないので区別できる。両者ともセプターと呼ばれて、同類の木材として取り扱われることが多い。
【その他色調等】:樹種によっては、濃色の縞があり美しい材面を持つことがある。また樹種によって心材の色が違っている。木目はつんで綺麗だが交差木目が細かくある。斑の模様不明瞭。生材の美しい木目は空気に触れると黒ずんでくる。わずかに光沢を有し、リボン杢も現れる。
【その他性質等】:材面に油性の感触がある。 強度はヒッコリーと同等。樹脂道があるこどで、一般に横断面にヤニが滲み出ていて、濃色のしみになっている。保存性は樹種により差があり、濃色で重硬なものほど高いとされている。広い辺材を持つ。
【その他加工等】:人工乾燥は容易だが、時間をかけてゆっくり乾燥させないと木口に割れが生じやすい。釘打ちによっても割れやすい。切削時、木に含まれるゴム質が絡み刃物の切れ味を損ねる。表面の仕上がりは良好。
【立木での性質等】:樹高30~45m、樹径1.2m。幹は通直で円筒状をなし、著しい根張りはない。
*1:その他Sindora affinis 、Sindora echinocalyx 、Sindora parvifolia、Sindora siamensis 、Sindora velutina 、Copaifera palustris、Copaifera spp. 等もセプターと呼ばれるようです。
*2:Sindura spp.の値。樹種により幅があり、0.83(Sindura supaMerr. )、0.64~0.72(セプター、パヤ)などの数値もあるようです。