シラカシ

Sirakasi

 

名称・・・白樫(Shira-kashi、Japanese white oak)

その他呼び名・・・

シラガシ、ホソバガシ、クロガシ(クロカシ)(*1)、樫(カシ)(関東地方での呼び名)(*2)、ササガシ

科目・・・ブナ科コナラ(Quercus)属・常緑広葉樹・放射孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Quercus myrsinaefolia Blume

産地・・・本州中南部から四国、九州に自生。朝鮮南部、済州島、中国大陸南部にも分布。

色調・・・心材は帯褐色灰白色。辺材は灰白色。または心材、辺材共に淡黄色を帯びた灰褐色、淡い黄褐色~紅褐色、灰白色。

性質・・・木理:やや交錯、辺心材の境目:不明瞭、肌目:粗、硬さ:超硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.74~0.83

平均収縮率%(柾目方向):0.23

平均収縮率%(板目方向):0.38

曲げ強度MPa:118

圧縮強度MPa:59

せん断強度MPa:17.6

曲げヤング係数GPa:13.7

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):やや困難、鉋掛(カンナガケ):やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~注意、乾燥:困難(~容易)、塗装性:中

用途・・・造作材

屋根材、敷居、器具材、車両材、船舶材、機械材、枕木、薪炭材、鉋台、農工具の柄、櫓、シタンの模擬材

価格・・・☆☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

シラカシはアカガシよりも若干寒さに強く、分布の北限が少し北に上がり新潟県と福島県を結ぶラインの端辺りになる。樹高約15~20m、樹径1m。年輪はあまりはっきりとはしていない。カシ類の特徴である大きい放射組織があるため、板目面には著しい樫目(かしめ:ゴマのような斑点模様)が見られる。また柾目面には虎斑(とらふ)が現れる。弾力性があり、曲げにも強い。斑の模様鮮明。あまり大径木にはならない。時に、せん孔虫やカミキリ虫の虫害を受けている場合があり、その幼虫の鉄砲虫が小指大の穴を材にあけ虫穴から腐食菌が侵入しボタン模様(暗色で不規則な変色部分)を材面に描く。ボタン模様は腐食菌の繁殖している部分に出る変色現象である。ボタン模様のある材の硬度は落ちないが、衝撃に対し異常に脆くなっている。また、樹幹の木口には不規則で縞模様のある偽心材があらわれ、これを俗に牡丹杢と称する。同属にアカガシなどがある。

 

備考・・・

シラカシの名は材色が白いことから、クロガシの名は樹皮の色が黒いことからきてるようです。

 

*1:クロガシというと、アラカシを指す場合もあります。
*2:カシというと、関西地方ではアラカシ、九州ではイチイガシを指す事があるようです。