名称・・・榀(Japanese linden、Japanese lime)
その他呼び名・・・
シナノキ、赤榀(アカシナ、アカジナ)、リンデン、マダ
科目・・・シナノキ科シナノキ(Tilia)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)
学名・・・Tilia japonica
産地・・・北海道、本州、四国、九州、及び中国。蓄積量の大部分は北海道
性質・・・木理:通直、辺心材の境目:やや不明瞭~不明瞭、肌目:緻密、硬さ:軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):極弱、磨耗耐久性:中
気乾比重:0.37~0.50
平均収縮率%(柾目方向):0.20
平均収縮率%(板目方向):0.31
曲げ強度MPa:64
圧縮強度MPa:34
せん断強度MPa:5.9
曲げヤング係数GPa:7.8
加工性・・・鋸挽:容易、鉋掛:中、釘打保持力:弱、糊付接着性:注意~不良、乾燥:容易、塗装性:高
用途・・・家具、合板
器具材、彫刻材、鉛筆材、マッチの軸木、割り箸、キャビネット、箱材
価格・・・☆
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・
その他・・・
日本特産種。欧米で街路樹として親しまれている菩提樹(西洋科樹)とは親類。また類似種にアオシナと呼ばれる大葉菩提樹(オオバボダイジュ)があるが、シナに比べ一般に径が小さく、材の色が白い。シナは樹高20mに達し、樹径1.0mの大径木になる。一般に辺材の幅は広い。年輪は不明瞭。木質は均質。表面の仕上りは良好。木材中に含まれる糖のため、尿素樹脂接着剤による場合は接着不良を起こす。またセメントの硬化不良が起きる。さらに釘などの鉄汚染が材内の酸により発生する。ラワン合板が市場に出回る以前は、北海道産のシナ合板が多量に市場に出ていた。偽心あり。斑の模様不鮮明。木目が無いので合板に加工しやすい。但し、特殊な糖分を含んでいるためタイプⅠ級の合板は無い。シナ合板の表面材は色の白いアオシナが使われ、アカシナと呼ばれるシナは合板の裏面や中芯に使われる。シナの樹皮の繊維は強く、ロープや織物に広く使われる。不快ではない特有の臭いがある。
備考・・・
シナを「科」や「級」とも書きます。
ヘラノキとも呼ばれるらしいですが、ヘラノキ(学名:Tilia kiusiana)という別種類がありますね。シナ=ヘラノキとする資料は1つしか見つからなかったので、その他の呼び名には挙げませんでした。でもアイスクリームを食べる時に使う木製のヘラはシナやヘラノキで作ったりするらしいです。