サワグルミ

Sawagurumi

 

名称・・・沢胡桃(Japanese wingnut)

その他呼び名・・・

川胡桃(カワグルミ)、藤胡桃(フジグルミ)、ヤス、山桐(ヤマギリ)(*1)、コグルミ、(*2)

科目・・・クルミ科サワグルミ(Pterocarya)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Pterocarya rhoifolia Sieb. et Zucc.

産地・・・北海道南部から本州、四国、九州に分布。

色調・・・心材は淡い黄白色。辺材も淡い黄白色。

性質・・・木理:やや通直~交錯、辺心材の境目:不明瞭、肌目:やや粗~粗、硬さ:軟、腐食耐久性(耐朽性):弱~極弱、磨耗耐久性:弱

気乾比重: 0.30~0.45(平均値)~0.64

平均収縮率%(柾目方向): 0.14

平均収縮率%(板目方向): 0.30

曲げ強度MPa:83

圧縮強度MPa:41

せん断強度MPa:11.8

曲げヤング係数GPa:10.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~注意、鉋掛(カンナガケ):容易~やや困難、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易、塗装性:中~高

用途・・・家具、建具

下駄材、マッチの軸木、器具材、経木、抽斗(ひきだし)側板、パルプ、細工物

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

桐材に似ることから「山桐」と称することもある(*1)。樹皮は皮箕(かわみ)と言い山小屋等の屋根葺きに使われる(*3)。家具の抽斗(ひきだし)側板には板幅を接いで幅広材にして家具メーカーに供給されている。

 

【その他色調等】: 材面に変色や腐朽が入りやすい。斑の模様不鮮明。年輪はあまりはっきりとしていない。道管の直径がかなり大きい為、肌目は粗くなる。

【その他性質等】: 桐に次いで軽い。割れやすい欠点がある。

【その他加工等】: 鉋(かんな)の刃切れはあまり良くなく、毟(むし)れが出やすい為、表面の仕上がりはあまり良くない。

【立木での性質等】:主に、山中の谷間、沢沿いの湿地帯に群生する。樹高約20m、樹径1.0mになる。あまり大径木にはならない。樹幹は直状で枝下が長く利用部分が多いが、枝は良く出たがり、比較的枝が太くなる。蓄積量は少ない。

 

*1:ヤマギリというと一般にはウコギ科のセンを指すと思います。ただ、キリの代用で下駄材として使われるサワグルミなどをヤマギリと俗称するようです。
*2:その他の呼び名で、寿香木と呼ぶこともあるようです。
*3:また樹皮(内皮)は寿光皮とも言い、樹皮の外側の皮を除去して柔らかくし、巻き合わせて作ったお盆は美しく耐久性のある名品らしいです。