コウヤマキ

Kouyamaki2

 

名称・・・高野槙(Japanese umbrella pine)

その他呼び名・・・

本槙(ホンマキ)、槙(マキ)(*1)、クサマキ(*2)、金松(キンマツ)(*3)

科目・・・コウヤマキ科(*4)コウヤマキ(Sciadopitys)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Sciadopitys verticillata Sieb. et Zucc.

産地・・・本州中部から四国、九州の山地に自生。木曾と高野山に特に多い。

色調・・・心材は淡い黄褐色~淡い黄色。辺材は白色、乳白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭~明瞭、肌目:緻密、硬さ:中庸、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:弱

気乾比重: 0.35~0.42(平均値)~0.50

平均収縮率%(柾目方向):0.13

平均収縮率%(板目方向): 0.23

曲げ強度MPa:74

圧縮強度MPa:30

せん断強度MPa:5.9

曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易、塗装性:中

用途・・・造作材

天井板、板類、器具材、枕木、土木材、船舶材、風呂桶、流し板、碁盤、飯櫃(めしびつ)、細工物、庭園樹、防火樹、古墳時代には棺材

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

日本の特産種。現在は非常に少なくなっていて、材として一般に目にすることは少ない。一属一種。紀州の高野山の木が特に有名であった為、高野槙と名付けられた。日本の木の中でも特に良い品質の木という意味で呼ばれる「木曾五木」(*5)のひとつ。また世界の三大庭園樹は、ヒマラヤシーダー(ヒマラヤスギ)とアロウカリア(ナンヨウスギ)およびコウヤマキと言われている。樹皮は槙肌(まきはだ)と呼ばれて和船、桶などの隙間に充填材として使われていた。

 

【その他色調等】: 辺材は狭い。年輪幅も一般に狭い。光沢がない。斑の模様不明瞭。年輪が波状になっていることもある。

【その他性質等】: 材の保存性は中程度だが、水湿には良く耐える。割裂性は大きい。脂気がやや多く、材には脂臭い特有の匂いがある。

【その他加工等】:仕上がりは中庸。

【立木での性質等】:樹高20~30m、樹径0.6~0.8m。全体的に蓄積量は少ない。春開花し、マツカサに似た球果をつける。成長が極めて遅く、植林には不適とされている。

 

*1:マキと言うと、「真木」とも書いて木材として優れたスギやヒノキの総称としても使われます。また、マキ科のイヌマキやラカンマキを指す事もあります。
*2:クサマキと言うと、コウヤマキよりマキ科のイヌマキを指す事が多いかもしれません。また、方言によってはヒバを指したりもするようです。漢字も「草槙」や「臭槙」などあって、非常にあいまいです。
*3:「金松」の字は中国特産のイヌカラマツを指す事もあるようです。
*4:以前はスギ科に含まれていましたが、コウヤマキ科として独立したようです。
*5:木曾五木とは、木曾檜、椹(サワラ)、翌檜(アスナロ)、鼠子(ネズコ)、高野槙の五つです。