クリ

Kuri2

 

名称・・・栗(Chestnut)

その他呼び名・・・

柴栗(シバグリ)、チェストナット、ヤマグリ

科目・・・ブナ科クリ(Castanea)属・落葉広葉樹・環孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Castanea crenata Sieb. et Zucc.

産地・・・北海道西南部から本州、四国、九州に生育。朝鮮などにも分布。福島県、宮城県、岩手県、島根県などに蓄積量が多いとされる。

性質・・・木理:ほぼ通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:粗、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):強~極強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.55

平均収縮率%(柾目方向):0.17

平均収縮率%(板目方向):0.36

曲げ強度MPa:78

圧縮強度MPa:42

せん断強度MPa:7.8

曲げヤング係数GPa:8.8

加工性・・・鋸挽:容易~やや困難、鉋掛:中~やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:中~やや困難、塗装性:中

用途・・・構造材、造作材、家具

器具材、土台、土木材、枕木、杭、抗木、車両、ひきもの、装飾材、井桁、橋梁、漆器木地、彫刻材

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜

 

その他・・・

辺材は狭い。材はタンニンを多く含み、年数が経つと徐々に濃くなり栗色から黒褐色に変化する。年輪の境界に大きな道管が帯状に配列して環状になっている為、年輪は明瞭。クリの道管は日本の広葉樹の中では最も大きい部類に入る。弾力に富み狂いが少ない。水湿に良く耐える。釘打などで割れやすく予備穴が必要。樹高は約10m、樹径は0.6m。大径木は少ない。斑の模様不鮮明。いわゆる「名栗(ナグリ)工法」は、兵庫県丹波の職人が六角の丸棒状にしたクリ材の表面を、手斧で波形に削って作ったのが始まり。クリは虫害や腐食に強い為、防腐・防虫処理が無かった時代には家屋の土台として重要視された。表面の仕上りは中庸。土の中に埋めておいたものは、黒味を帯びてきて風流な趣がでてくるので、鏡台や本箱などに使われる。植栽は主に食用にする栗の採取が目的だが、クリが多く分布している地域では、柱にクリを使っていることがあり、総クリ造りという場合もある。