アガチス

 

名称・・・アガチス(Agathis)

その他呼び名・・・

アルマシガ(フィリピンでの呼び名)、ダマルミニャク(ダマ、ダマールミニヤック)(マラヤでの呼び名)、ダマール(インドネシアでの呼び名)、カウリ(ニュージーランドでの呼び名)、ビンダン(サラワクでの呼び名)、南洋桂(ナンヨウカツラ)、新桂(シンカツラ)、南洋桧(ナンヨウヒノキ)(*1)、コパールノキ

科目・・・ナンヨウスギ科アガチス(Agathis)属(*2)・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・

Agathis spp.
Agathis alba Foxw. 、
Agathis borneensis Warb. などを含む。

産地・・・東南アジアからニュージーランドを経てフィジー、ニューカレドニアなどの太平洋諸島に分布。

色調・・・心材は桃色を帯びた灰褐色ないし淡い黄褐色、淡灰褐色。辺材は淡灰色、淡灰褐色。

性質・・・木理:通直~やや通直、辺心材の境目:やや明瞭~やや不明瞭、肌目:緻密、硬さ:やや軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱~やや弱、磨耗耐久性:やや強

気乾比重:0.46~0.52

平均収縮率%(柾目方向):0.16

平均収縮率%(板目方向):0.30

曲げ強度MPa:70

圧縮強度MPa:36

せん断強度MPa:7.8

曲げヤング係数GPa:11.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~中、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:やや強、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易~注意、塗装性:中

用途・・・造作材、建具、家具

縁甲板、家具の引き出し、普及品の碁盤

価格・・・☆

無節材(2000x210x34㎜)45万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜

 

その他・・・

アガチス属には約20種あり、また分布範囲が広い為、国によってこの類の木材に対する呼び名が異なる。ナンヨウカツラの商品名で売り出され有名になったが、カツラやヒノキとは全く関係がない。当初はカツラの代用でタンスの引き出し側板に使われていた。

 

【その他色調等】: 針葉樹であるが年輪は明らかでなく、一見広葉樹を思わせる。心材の色は均一ではなく色幅がある。辺心材の区別はあるものの、見分けがつきにくい。斑の模様は繊細な模様が明瞭。

【その他性質等】: 節は少ないが、大きな節が出る場合もる。

【その他加工等】: アテが強い木なので使用するには柾目の製材が絶対条件となる。また乾燥の際アテの部分が割れたり大きく収縮したりする。

【立木での性質等】:樹高30~40m、樹径は1mを越す大木もある。東南アジア各地で広く植林されている。

 

*1:ラミンのこともナンヨウヒノキと呼ぶことがあるようです。
*2:属名の和名をナギモドキ属とも言います。