名称・・・米杉(Western redcedar)
その他呼び名・・・
ウェスタンレッドシーダー、アメリカネズコ、シングルウッド
科目・・・ヒノキ科クロベ(ネズコ)(Thuja)属(*1)・常緑針葉樹・裸子植物
学名・・・Thuja plicata D.Don
産地・・・北米。ロッキー山脈北部と太平洋岸北西部、バンクーバー周辺、オリンピア半島、シアトル周辺。
色調・・・心材は赤褐色、暗赤褐色。辺材は白色。
性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:中~やや粗、硬さ:軟、腐食耐久性(耐朽性):強、磨耗耐久性:弱
気乾比重:0.35~0.38
平均収縮率%(柾目方向):0.08
平均収縮率%(板目方向):0.17
曲げ強度MPa:54
圧縮強度MPa:32
せん断強度MPa:5.9
曲げヤング係数GPa:7.8
加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:容易~中、塗装性:注意
用途・・・造作材、デッキ材、建具
天井板、屋根板、ベンチ、パーゴラ、外装材、フェンス
価格・・・☆☆
無節材(2000x210x34㎜)50万/㎥
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・ツーバイフォー(2x4):90x40x3660(G一等\200,000/㎥)
2x4:90x40x(1830、2440、3050、3660、4270、4880、5490、6100)
2x6:141x40x(〃)
2x8:187x40x(〃)
2x10:238x40x(〃)
2x12:289x40x(〃)
4x4:90x90x(〃)
その他・・・
ネズコと同属で米杉といっても米国産の「杉」という意味ではない。産出はワシントン州が一番多く、オレゴン州、アイダホ州、モンタナ州から商業ベースで産出。南へ行くほどに材色の赤が強く褐色が薄く綺麗になり、日本では天井板用になる原木として人気。北米での米杉の一番多い用途は屋根葺き用の「シングル」と呼ばれている突柾。木粉がアレルギー喘息(ぜんそく)(いわゆるベイスギぜんそく)の原因にもなるので注意。
【その他色調等】:部分的に黒ずんだ黄褐色が現れ、色調が均一でなく、汚れた感じを与えることが欠点。年輪幅は均一。辺材は狭い。斑の模様不明瞭。色相は経年変化により、軟らかな銀色を帯びた渋さを呈する。表面の仕上りも良好。
【その他性質等】:杉特有の芳香はなく、別な特有の芳香がある。水湿に対する腐朽性が非常に強い。心材の割合が多く、防腐・防虫効果の高いフェノールを多く含んでいるため針葉樹の中では耐久性の高い方である。1立方センチメートルあたり60万個近くも気泡が存在するという均一な細胞構造から、針葉樹の中でも最小の比重と寸法安定性、加工性がある。
【その他加工等】:均一でない色調でも最近では木材の漂白、染色の技術が進歩し美しい材面に加工することができる。
【立木での性質等】:樹高は50m以上、直径は1.0~1.25m。米松と混成状態で生育。
*1:属名の和名はクロベ属ともネズコ属とも言います。ネズコ(鼠子)=クロベ(黒檜、黒部)ですので、どちらでも良いと思います。