名称・・・椿(Camellia)
その他呼び名・・・藪椿(ヤブツバキ)、カメリア
科目・・・ツバキ科ツバキ(Camellia)属・常緑広葉樹・環孔材的な散孔材・離弁花類(被子植物)
学名・・・Camellia japonica
産地・・・本州、四国、九州。朝鮮、中国。
色調・・・心材、辺材共に紅淡褐色、紅褐色。
性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):弱~高、磨耗耐久性:強
気乾比重:0.81
平均収縮率%(柾目方向):0.19
平均収縮率%(板目方向):0.28
曲げ強度MPa:78*
圧縮強度MPa:45*
せん断強度MPa:15.7*
曲げヤング係数GPa:8.8*
加工性・・・鋸挽(ノコビキ):やや困難、鉋掛(カンナガケ):やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:容易~困難、塗装性:{低/中/高
用途・・・
床柱、漆器木地(盆、椀などの)、算盤玉、折尺、農耕具の柄、ブラシの柄、バイオリンの弦の糸巻き棹(サオ)、煙草パイプ、タンスの取手、高級な炭、印材。
価格・・・☆☆☆☆
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・
その他・・・
斑の模様不明瞭。樹高18m、樹径0.5m程度。大径木が少なく、樹形が悪い。日本中の椿の大木は殆ど伐採され、現在では入手の難しい材である。銘木としては、皮肌を生かして皮付丸太として床柱、壁止めなどに使用される。また重硬で均一な材質のため、柘植(ツゲ)材の代用として細工物やこけしなどにに使われた。柾目面が美しい。磨くと光沢が出る。割裂は非常に困難。輪切りした材は木口割れが非常に少なく、木口に彫刻する印鑑に適した材質である。茶花(ちゃばな:茶室に生ける草花)として好まれ、侘助(わびすけ)、明石潟(あかしがた)、大虹(おおにじ)、秋風楽(しゅんふうらく)、白唐子(しろからこ)、光源氏(ひかるげんじ)、熊谷(くまがい)、京牡丹(きょうぼたん)、荒獅子(あらじし)、大神楽(だいかぐら)、羽衣(はごろも)、都鳥(みやこどり)など多くの園芸品種が作られた。
備考・・・
木材で流通しているのは、銘木として丸太状のものがほとんどではないでしょうか。ツバキの木目を広い面で見る機会は少ないかもしれません。