名称・・・浅田(Hop horn beam、Japanese ironwood)
その他呼び名・・・ミノカブリ、ハネカワ
科目・・・カバノキ科アサダ(Ostrya)属(*1)・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)
学名・・・Ostrya japonica Sargent
産地・・・北海道、本州、四国、九州に自生。特に北海道の日高、胆振(いぶり)、十勝方面に多く、太物の良材が産出される。朝鮮南部、済州島、中国にも分布。
色調・・・心材は紅褐色、濃赤褐色。辺材は褐色を帯びた白色、淡い桃灰色。
性質・・・木理:ほぼ通直~やや交錯、辺心材の境目:明瞭、肌目:緻密、硬さ:硬、腐食耐久性(耐朽性):中(~強)、磨耗耐久性:強
気乾比重:0.60~0.73
平均収縮率%(柾目方向):0.23
平均収縮率%(板目方向):0.33
曲げ強度MPa:108
圧縮強度MPa:49
せん断強度MPa:13.7
曲げヤング係数GPa:17.6
加工性・・・鋸挽(ノコビキ):やや困難、鉋掛(カンナガケ):やや困難、釘打保持力:強、糊付接着性:中、乾燥:やや困難~困難、塗装性:高
用途・・・造作材、建具、家具
床材、敷居、器具材、船舶材、薪炭材、靴の木型、運動具材、器具の柄、橇(そり)、化粧用単板
価格・・・☆☆☆
メーカー・・・
一般流通サイズ・・・平割:60㎜
その他・・・
年輪はやや不明瞭。磨くと光沢が出る。表面の仕上りは良好。心材は年月を重ねるごとに美しく、光沢が増す。斑の模様不鮮明。強靭で割れにくい。ねじれが往々にして現れる。樹高15~20m、樹径0.6~0.8m。あまり大径木にならない。釘抜けが起きにくい特別な材質をしている為、皮を細かい釘で打付ける作業を繰り返す靴製造の木型に使われる。人工乾燥は管理が難しいカンバ類の中でも特に困難である。マカンバを少し黒くしたような色合いの材色な為、家具材として桜材の名で通る。また材質が素直な為、ダケカンバよりも家具材として好まれて使用される。強度はマカンバ以上で、フローリングには最も優秀な材とされている。本州ではアサダの製品は馴染みが薄いが、北海道では家具の製造に使われて馴染みが深いと思われる。アサダ属には一種しか含まれていない。
*1:属名の日本語読みをハシバミ属とする資料もありましたが、ハシバミ属は「Corylus」のようですから、「Ostrya」はアサダ属で良いのでしょうね。