ベイツガ

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名称・・・米栂(Hemlock)

その他呼び名・・・

ヘムロック、ウェスタンヘムロック、ベイトガ、ヘム・ファー(ベイモミと一括しての呼び名)、カナダツガ(*1)

科目・・・マツ科ツガ(Tsuga)属・常緑針葉樹・裸子植物

学名・・・Tsuga heterophylla  Sarg.

産地・・・北アメリカ大陸(アラスカ州南部から米国の南西部までの太平洋沿岸地域)、北米太平洋岸地方のロッキー山脈・オレゴン・カリフォルニア・アリゾナ地方、BC州南東部からアイダホ北部までのカスケード山脈

色調・・・心材は白味を帯びた淡黄褐色、帯淡黄灰白色。辺材は灰白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密~やや粗い、硬さ:中庸硬め、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.46~0.48

平均収縮率%(柾目方向):0.10

平均収縮率%(板目方向):0.32

曲げ強度MPa:74

圧縮強度MPa:40

せん断強度MPa:7.8

曲げヤング係数GPa:10.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~注意、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:やや困難、塗装性:中

用途・・・構造材、下地材、造作材、建具

鴨居、長押、土台(防腐処理されて)、パルプ用材、箱材

価格・・・☆

無節材(2000x210x34㎜)40万/㎥

メーカー・・・ウェスタン・フォレスト・プロダクツ(WFP)、ティンバーウエスト、インターフォー

一般流通サイズ・・・スジカイ:90x45x4000(KD#1\80,000/㎥)

柱・桁:105x105x(3050、4000)

母屋:90x90x(3050、4000)

ネダ:105x45x(3050、4000)

スジカイ:90x45x(3050、4000)

 

その他・・・

オールドグロス(原生林物)はシアトル以北のカスケード山脈の太平洋岸沿岸に群生しているのが多く見られる。北限はアンカレッジ周辺、南限はタコマ周辺。それより南はセカンドグロス(二次成林)で目が粗い木に変わる。日本で製材原料として需要の多い原木はエバレット周辺のカナダ国境に近い地域から産出されるカスケード物とよばれる木材。カナダ以北は原木が輸出禁止?なので製材品やキャンツで出荷されている。バンクーバー島には良材がある。蓄積が多いのはワシントン州、オレゴン州。日本の都市部の(特に低価格の)住宅の柱に良く利用されている。価格が安い為、日本では杉と競合。日本に輸入する際、モミ類と一緒にHem-Fir(ヘム・ファー)と呼んで取り扱っている。薬剤注入が容易なため防腐土台としても使用。

 

【その他色調等】:ベイマツより黄色味が強いのが特徴。木目は明瞭。光沢がある斑の模様は不鮮明。日本産のツガと比較すると、年輪幅の広いものが多い。

【その他性質等】:乾燥すれば無味無臭。入皮のような欠点が多く見られる。水分があるところでは腐りやすい。割れやすい。性質は日本産のツガと似ていると言える。

 

*1:ベイツガのなかでもカナダ(太平洋沿岸のBC州)産のものを特に「カナダツガ」と呼んでいるところもあります。詳しくはこのツガ属のベイツガ(学名:Tsuga heterophylla )とモミ属のアマビリスファー(学名:Abies amabilis )の両樹種を総称して、カナダツガと呼んでいるようです。管理や格付けが厳正にされていて、ブランドみたいな扱いになっています。