ブナ

Buna2

 

名称・・・椈・橅・山毛欅(Beech)

その他呼び名・・・

シロブナ、ソバグリ、ソバノキ、ブナノキ、ホンブナ、(イヌブナ、クロブナ)

科目・・・ブナ科ブナ(Fagus)属・落葉広葉樹・散孔材・被子植物

学名・・・

Fagus crenata
Fagus japonica(イヌブナ)

産地・・・北海道南部から本州、四国、九州。特に東北が主産地

性質・・・木理:ほぼ通直、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密、硬さ:やや硬~硬、腐食耐久性(耐朽性):極弱、磨耗耐久性:{弱/中/強

気乾比重:0.63

平均収縮率%(柾目方向):0.18

平均収縮率%(板目方向):0.41

曲げ強度MPa:98

圧縮強度MPa:44

せん断強度MPa:12.7

曲げヤング係数GPa:11.8

加工性・・・鋸挽:中庸、鉋掛:中庸、釘打保持力:{弱/強、糊付接着性:中、乾燥:注意、塗装性:高

用途・・・造作材、家具

主に脚物家具、床板、スキー板、ベニヤ材、玩具材、楽器の鍵盤、器具、漆器木地、曲木、靴木型、日用品、パルプ

価格・・・☆

無節材(2000x210x34㎜)35万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜、45㎜

 

その他・・・

山の奥地に多く生育する。関東以南では暖帯林が温帯林に変わる山地内で見られるが、東北地方では平地に生育ブナの純林も残っている。日本の広葉樹の中で最も蓄積量が多い樹種。広葉樹の人工林はまれで、ブナもほとんど植林されていない。ただ北海道函館の七飯のガルトネル・ブナ林と呼ばれる人工林は、もうかなり老いてはいる(明治2、3年の植林)がブナ人工林の成功例として名が知られている。樹高25m、樹径1.5m。本来、心材は無く全て辺材であるが、しばしば不斉円形の濃色の部分を持ち、これを不正常な心材ということで偽心材と呼んでいる。この偽心材の部分には何重にも縞があり菊花の模様となることがある。材は均質だが、腐朽や狂いははなはだしい。しかし近年人工乾燥法が発達し狂いを除去することが出来るようになり木工家具の材料として見直されるようになってきた。現在では蓄積は非常に少なくなり、かつてブナに頼っていた家具工業はその代替材を探すことに努めている。曲木加工に適する。放射組織が広く、高い為板目面ではゴマのような濃い色の点となり、柾目面では帯状の模様(虎斑:とらふ)となる。板目面ではいわゆる樫目(?)を呈し、柾~追柾面に米粒大の斑(ふ)が現れるのが特徴。年輪はあまりはっきりしない。木材に防腐剤を注入しにくい。西欧では「森の女王様」と呼ばれ、昔から尊敬され親しまれてきている。

 

備考・・・

同属の樹種にイヌブナ(Fagus japonica)があります。クロブナとも言うようですが、材質がブナより少し劣るようです。このイヌブナを含めてブナという場合もあります。
「山毛欅」と書いてブナと読むようですね。当て字と思いますが、この字は本来、中国ブナ(Chinese beech:Fagus engleriana?)の一種のことを指すみたいです。でも詳細は不明です。