ドロノキ

Doronoki2

 

名称・・・泥の木(Cotton wood、Japanese poplar)

その他呼び名・・・

泥柳(ドロヤナギ)、デロヤナギ、ドロ、ワタドロ、白楊(ハクヨウ)(*1)

科目・・・ヤナギ科ヤマナラシ(Populus)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Populus maximowiczii  Henry

産地・・・北海道及び本州中北部の寒地に自生。また、樺太、千島、朝鮮、中国東北、満州、シベリア、北米にも分布。

色調・・・心材はくすんだ淡い褐色、帯褐灰色、淡灰褐色。辺材は白色、灰白色。

性質・・・木理:やや交錯、辺心材の境目:やや不明瞭~ほぼ不明瞭、肌目:やや粗~やや緻密、硬さ:軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱~強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.33~0.42(平均値)~0.55

平均収縮率%(柾目方向):0.19

平均収縮率%(板目方向):0.19

曲げ強度MPa:44

圧縮強度MPa:27

せん断強度MPa:6.9

曲げヤング係数GPa:7.0*

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易~やや困難、釘打保持力:中、糊付接着性:良好、乾燥:やや困難~良好、塗装性:中

用途・・・

マッチの軸木、箸、経木、パルプ材、箱材、丸木舟、船縁、食器用箱、樽、弾薬箱、楊子、下駄、梱包材、ランバーコアの芯、木毛、炭(火薬の原料)

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

北米のほぼ全域にも広く生育しているが、東部のものは単にCottonwoodと呼ばれ、西部の樹種はBlack cottonwoodと呼び若干性質が違うとされている。金沢や姫路では中国から輸入したドロノキで楊子を作っている。薄くして着色し編んで工芸品を作る。ドロノキを墨にすると軽くて柔らかな木炭ができ、黒色火薬の原料にされる。同じ属の種にヤマナラシ(ハコヤナギ):Populus sieboldii などがあり、この類は一般にポプラと呼ばれている。このポプラの類は海外ではパルプの原料とされることが多く、その為に品質や成長の良いものを生産することを目標として品種改良の研究が行われている。

 

【その他色調等】:年輪はやや不明瞭。斑の模様不明瞭。ときに心材に不明瞭な濃い色の縞が現れる。時間が経つと緑灰色から暗灰色に変化する。

【その他性質等】:軽軟な材で、材の保存性は低い。アテ部が多い。硬さに粘りがあり、弾力性が強い。衝撃を吸収する性質があるため、弾薬箱に使われる。無味無臭なため、食器用箱や樽に使われる。

【その他加工等】:切削などの加工性は良いが、鉋掛けの際に表面がケバ立ちやすく仕上がりは良好ではない。アテの部分は繊維が毟れて切削が容易でない。

【立木での性質等】:樹高は約15~30m、樹径1.0mに達し、あまり大径木にはならない。川岸の肥沃地に生育。蓄積量はあまり多くない。

 

*1:「白楊(ハクヨウ)」というと、ヤマナラシ(ハコヤナギ)=ポプラの別名でもあるみたいです。