タモ

Tamo2

 

名称・・・梻(Ash、Swamp ash)

その他呼び名・・・

谷地梻(ヤチダモ)、オオバトネリコ、シオジ(東北地方、新潟県での呼び名)(*1)

科目・・・モクセイ科トネリコ(Fraxinus)属・落葉広葉樹・環孔材・合弁花類(被子植物)

学名・・・Fraxinus mandshurica var. japonica

産地・・・北海道。本州北・中部(長野県以北)にもごく僅か分布。サハリン、シベリア、樺太、朝鮮、中国にも生える。

色調・・・心材はくすんだ褐色、帯褐色灰白色、淡黄暗褐色。辺材は淡い黄白色。

性質・・・木理:ほぼ通直~やや交錯、辺心材の境目:明瞭、肌目:粗、硬さ:やや硬い、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.55~0.65

平均収縮率%(柾目方向):0.17

平均収縮率%(板目方向):0.31

曲げ強度MPa:93

圧縮強度MPa:43

せん断強度MPa:10.8

曲げヤング係数GPa:9.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~中、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:強、糊付接着性:中~良好、乾燥:中~困難、塗装性:注意

用途・・・造作材、家具、合板

床廻り材、器具材、土木材、運動具材(バット、ラケット、スキー板など)、化粧用単板。

価格・・・☆☆

無節材(2000x210x34㎜)50万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜、45㎜

 

その他・・・

同属にアオダモ、トネリコ、シオジ、ホワイトアッシュなどがあり、シオジはヤチダモとして流通。タモはシオジより全体に灰色がかり、銀色の輝くような冴えはないが落ち着いたシックな感覚の木材である。

 

【その他色調等】:年輪は明瞭。時に縮杢(ちぢみもく)などの美しい杢を有する。根際材などに美しい杢が出る。斑の模様不明瞭。表面の仕上げは中くらい。

【その他性質等】:弾力性に富む。材質は北に上がるにつれ糠目(ぬかめ)物が多くなる。ロシア産のタモは糠目物が多く色も冴えない。中国産のタモはほとんど北海道産のものとかわらない。成長が良く年輪幅が広いと比重が高く重厚、成長が悪いと逆に軽軟になる。運動具材には強い成長の良いもの、家具材には加工のしやすい成長の悪いものが好まれる。

【立木での性質等】:高さ25m、直径1m。根本からてっぺんまで幹が真っ直ぐ(直幹)である。湿った山地に多い。北海道の日高や十勝方面で植林が盛ん。

 

*1:本来「シオジ」というと、同属で別種のFraxinus spaethiana を指します。