セン

Sen

 

名称・・・栓(Castor aralia)

その他呼び名・・・

線木(センノキ)、針桐(ハリギリ)、山桐(ヤマギリ)、ボウダラ、ツブ(関西方面での呼び名)、オニセン、ヌカセン、テングウチワ

科目・・・ウコギ科ハリギリ(Kalopanax)属・落葉広葉樹・環孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・

Kalopanax septemlobus Koidzumi
シノニム(異名):Kalopanax pictus Nakai

産地・・・日本各地に自生するが、多くは北海道。またサハリン(樺太)、朝鮮、中国にも分布

色調・・・心材は淡灰白色、淡灰褐色、淡黄褐色、黄白色。辺材は淡黄白色、白色。

性質・・・木理:交錯、辺心材の境目:(明瞭~)やや不明瞭、肌目:やや粗、硬さ:軟~中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.40~0.52(平均値)~0.69

平均収縮率%(柾目方向):0.17

平均収縮率%(板目方向):0.34

曲げ強度MPa:74

圧縮強度MPa:36

せん断強度MPa:7.4

曲げヤング係数GPa:8.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好~中、乾燥:容易~中、塗装性:高

用途・・・造作材、家具、合板

下駄材、漆器下地、器具

価格・・・☆☆☆

無節材(2000x210x34㎜)75万/㎥

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜、46㎜

 

その他・・・

木材としては「セン」、樹木としては「ハリギリ」と呼ばれる。木材をオニセンとヌカセンと呼び2種あるとすることがある。オニセンは年輪幅が広く、より重硬で乾燥などで狂い易く、ヌカセンは年輪幅が狭く、より軽軟で加工し易い。ヌカセンは家具用に好まれる。一般に樹木の成長が良い若い時期に形成された木材では、年輪幅が広くなるので年輪内に占める環状の道管の部分の割合は少なくなり、繊維の部分の割合が増える。これによりその年輪内の細胞の壁の量が増え比重が増加することになる。逆に樹齢を重ねると年輪幅が狭くなり、比重は低くなる。合板用材としても広く使われ、特に北海道セン合板は海外で高い知名度がある。

 

【その他色調等】:年輪幅は極めて狭く明瞭。板目面は光沢が有り年輪模様が美しい。面白い杢を現わすものもある。木目が高級材のケヤキに似ることから、着色して代替品に使われることがある。違いはケヤキより軽いので判る。斑の模様不明瞭。

【その他性質等】:わりあい大径の材で欠点が少ない。比重の割りに強い。

【その他加工等】:狂いやすいので十分な乾燥が必要。

【立木での性質等】:樹高25m、樹径1m。北海道の東北部方面から良材が出材される。肥沃な地に生育する。枝は太く、若木の時に鋭いとげが多いことからハリギリとも呼ばれる。