シラカバ

Sirakaba

 

名称・・・白樺(Japanese white birch)

その他呼び名・・・

シラカンバ、オオシラカンバ、樺皮(ガンピ)(一部北海道、東北地方での呼び名)、ホワイトバーチ、樺桜(カバザクラ)、白桜(シロザクラ)、樺(カバ、カンバ)、樺の木(カバノキ)

科目・・・カバノキ科カバノキ(Betula)属(*1)・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・Betula platyphylla var.japonica

産地・・・北海道から本州中部。朝鮮、支那、満州、シベリア、樺太、千島列島、中国東北部、カムチャッカ半島等の乾燥地及び湿地。

色調・・・心材辺材共、帯黄白色、黄白色~淡黄褐色。

性質・・・木理:{通直/交錯、辺心材の境目:不明瞭、肌目:緻密、硬さ:中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱、磨耗耐久性:弱

気乾比重:0.63

平均収縮率%(柾目方向):0.17

平均収縮率%(板目方向):0.27

曲げ強度MPa:58

圧縮強度MPa:43

せん断強度MPa:9.4

曲げヤング係数GPa:8.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):やや困難、鉋掛(カンナガケ):容易、釘打保持力:強、糊付接着性:良好、乾燥:やや困難、塗装性:{低/中/高

用途・・・造作材、家具

丸太のままで山小屋風の内装、船底天井等の竿縁、パルプ材、割り箸、器具、細工物、ナメコ栽培用の原木。

価格・・・☆☆☆☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

斑の模様不明瞭。心材部が非常に少なく、殆どが白太で構成されている。磨くと美しく仕上がる。立木、丸太とも菌の害を受けやすく、変色をしていることがしばしばある。随班というシラカバ独特な柔細胞が塊状に集まって出来る斑点の不正常な組織が、材中の各所に散在している。シラカバは寿命が短くせいぜい80年くらいしか生きられない為、樹高20m、樹径70~80cm位にしかならない。成長は極めて早い為、山が色々な原因で裸地になったような場合に最初に生え始めて、純林・一斉林を形成しやすい。裏日本方面では殆ど見られなく、宮城、山形県では見られない。樹皮は濡れていても燃焼するほど容易に燃やすことができ、北海道、東北地方では樹皮を焚き付けに使っていたことから、シラカバをガンピと呼ぶ。一般に用材としては使われるケースが少なく、木材としての価値より、高原の風物詩として立木の観賞価値が高く有名。

 

備考・・・

マカンバ(=ウダイカンバ)を含めてカバザクラと言うこともあるようです。ただ、「カバザクラ」と言えばシラカバを指し、「サクラ」とだけ言うとマカンバを指す事の方が多いかもしれません。ちなみに本来のサクラ(バラ科)を指す時は、ホンザクラやヤマザクラと呼んでいます。また「蒲桜(カバザクラ)」というのもありますが、これは埼玉県北本市石戸の東光寺境内にある、国の天然記念物に指定された個体で、日本五大桜の内のひとつです。樹種はエドヒガンザクラとヤマザクラの自然雑種と言われていて、シラカバとは全くの別種類です。
カバ(カンバ、カバノキ)という呼び名は、シラカバの他、マカンバやオノオレカンバ等を含めたカバノキ属の総称として使われることもあります。「樺」の読みは今日では「カバ」が一般的ですが、「カンバ」の音も残っていて、木の皮を指す古語の「かには(かにわ)」の発音が変化してきたもののようです。木材業界では古い方が多いせいか、まだ「カバ」より「カンバ」の方が通りが良いです。

 

*1:科目の「Betula属」を和名で「シラカンバ属」ということもあるみたいです。