キハダ

Kihada

 

名称・・・木肌(黄蘖、黄膚)(Amur corktree)

その他呼び名・・・

ヒロハノキハダ(*1)、樺太木肌(カラフトキハダ)、キワダ、シコロ(北海道や東北での呼び名・方言)、雌桑(女桑)(メグワ)(本桑と区別する時の呼び名)、黄柏(黄檗)(オウバク、オオバク)

科目・・・ミカン科キハダ(Phellodendron)属・落葉広葉樹・環孔材・被子植物

学名・・・Phellodendron amurense Rupr.

産地・・・北海道、本州、四国、九州に自生。中国、樺太、朝鮮半島にも分布。

色調・・・心材は緑色を帯びた黄褐色。辺材は白黄色、淡黄白色。

性質・・・木理:通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:やや粗~粗、硬さ:やや軟~やや硬、腐食耐久性(耐朽性):弱~中、磨耗耐久性:{弱/中/強

気乾比重:0.38~0.49(平均値)~0.57

平均収縮率%(柾目方向):0.15

平均収縮率%(板目方向):0.25

曲げ強度MPa:78

圧縮強度MPa:37

せん断強度MPa:11.3

曲げヤング係数GPa:7.8

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~中、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:{弱/強、糊付接着性:中、乾燥:容易~中、塗装性:中

用途・・・造作材、家具

床柱、楽器材、内装材、器具材、薪炭材、指物、単板、天然木化粧合板

価格・・・☆☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・

 

その他・・・

樹皮の内側が黄色な為「木肌」と呼ばれる。樹皮はベルベリンなどのアルカロイドを含み苦味が有り、生薬名を黄檗(おうばく)といい、健胃剤や火傷の医薬などとして用いる。古くから胃腸薬として知られ、陀羅尼助(だらにすけ)、御百草(おひゃくそう)、熊胆(ゆうたん)などが有名。また黄色の染色剤に用いる。着色してクワ材の代用として使われることがある。オオバノキハダ、ミヤマキハダなどの変種があり、木材は良く似ている。

 

【その他色調等】:光沢があり杢目が非常に美しい。仕上り面は特に良いとは言えない(*2)。年輪ははっきりとしている。道管が大きい為、肌目が粗い。長い時間空気に曝されていると褐色になっていく。

【その他性質等】:広葉樹としては比較的軽く、軟らかい。木材の保存(耐朽性)は低いが、クリに次いで水に強い木として用途に広がりを持っている。乾燥時に狂い易い点や、割れ易い点もある。

【その他加工等】:

【立木での性質等】:それほど蓄積は多くない。樹高25m、樹径1.0m近くにもなる。雌雄異株。幹はまっすぐで、成長が早い。樹皮にコルク層(樹の皮と材の間の部分)が発達していて厚い。10月頃に青黒いぶどうの粒のような丸い実がなる。香りが強く食べると苦いが、この実をシコノヘイと言い、駆虫薬として使う。

 

*1:「ヒノハノキハダ」や「ヒロノハキハダ」と言う事もあるかも知れません。たぶんヒロハノキハダの事だと思いますが。
*2:表面の仕上がりは良好とする資料もあります。