カポール

Kapur2

 

名称・・・カポール(Kapur)

その他呼び名・・・

カプール、ボルネオカンファーウッド(*1)、竜脳樹(龍脳樹)(リュウノウジュ)

科目・・・フタバガキ科リュウノウジュ(Dryobalanops)属・常緑広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・

Dryobalanops spp.
Dryobalanops aromatica
Dryobalanops beccarii
Dryobalanops fusca
Dryobalanops keithii
Dryobalanops lanceolata
Dryobalanops oblongifolia
Dryobalanops oocarpa
Dryobalanops rappa などを含む

産地・・・マレーシア、スマトラ(インドネシア)、ボルネオ。

色調・・・心材は黄色を帯びた赤褐色、暗赤褐色、淡紅褐色。辺材は桃色を帯びた淡い黄褐色。

性質・・・木理:やや通直、辺心材の境目:明瞭、肌目:やや粗~粗、硬さ:中~やや硬、腐食耐久性(耐朽性):中~強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.70

平均収縮率%(柾目方向):0.18

平均収縮率%(板目方向):0.35

曲げ強度MPa:116

圧縮強度MPa:62

せん断強度MPa:11.8

曲げヤング係数GPa:13.2

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~注意、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:強、糊付接着性:良好~中、乾燥:やや困難、塗装性:注意

用途・・・構造材、造作材、家具、合板

床材、コンクリート型枠用合板、車両用材、船舶用材、器具材

価格・・・☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:18㎜

 

その他・・・

フィリピンには分布が無い。大半は丸太の状態で非常に細かなピンホールの被害を受けていて、装飾性に劣る。樹から芳香のある樹脂の竜脳が得られ、香料、薬用となる。

 

【その他色調等】:斑の模様明瞭。生長輪はない。

【その他性質等】:反りが生じやすく、表面も毛羽立ちやすい。シロアリの抵抗力は無い。殆どアピトンと同じだが、ヤニは全く無い(*2)。メランチ類と同じように同心円状に配列する軸方向細胞間道(垂直樹脂道)がある。木材が新しい時には強烈な樟脳(しょうのう)の様な芳香がある。水分のある所で、鉄と接触していると濃色の汚染が出ることがある。

【その他加工等】:少し石灰分を含んでいる(放射組織の中にシリカ(ケイ酸塩)の小さい塊を含んでいる)個所もあり、鉋刃の切れ味を鈍らせる。その為製材や加工の際、硬い金属の刃物を使った上で刃の交換を早くする必要がある。接着性は尿素系接着剤には良好だが、フェノール系接着剤には適さない傾向がある。

【立木での性質等】:巨木で樹径2.0m以上のものが多い。

 

*1:ボルネオカンファーウッドの「カンファー」とは「カンフル(=樟脳)」のことです。ちなみに樟脳は主にクスノキから採れます。
*2:横断面で見ると、垂直樹脂道に濃色のヤニが滲み出ていることもあるようですので、全く無いと言うと語弊があるかも知れません。