オニグルミ

Onigurumi2

 

名称・・・鬼胡桃(Japanese walnut)

その他呼び名・・・胡桃(クルミ)、オトコグルミ、オクルミ

科目・・・クルミ科クルミ(Juglans)属・落葉広葉樹・散孔材・離弁花類(被子植物)

学名・・・

Juglans mandshurica var. sieboldiana (*1)
シノニム(異名):
Juglans sieboldiana Maxim.
Juglans ailanthifolia Carriere
Juglans mandshurica var. sachalinensis

産地・・・北海道から本州、四国、九州に自生。樺太にも分布。特に北海道、東北地方から良材が多く産出する。

色調・・・心材は褐色、暗赤褐色。辺材は灰白色。

性質・・・木理:交錯、辺心材の境目:明瞭、肌目:やや粗、硬さ:中庸、腐食耐久性(耐朽性):弱~強、磨耗耐久性:強

気乾比重:0.42~0.53(平均値)~0.70

平均収縮率%(柾目方向):0.18

平均収縮率%(板目方向):0.31

曲げ強度MPa:78

圧縮強度MPa:41

せん断強度MPa:10.8

曲げヤング係数GPa:9.3

加工性・・・鋸挽(ノコビキ):容易~中、鉋掛(カンナガケ):容易~中、釘打保持力:弱、糊付接着性:良好、乾燥:中~やや困難、塗装性:中

用途・・・造作材、家具

フローリング、彫刻材、器具材、銃床、置時計の台枠

価格・・・☆☆☆

メーカー・・・

一般流通サイズ・・・平割:34㎜、45㎜

 

その他・・・

北米のウォルナットがこれに類するが、オニグルミの方が多少材質が軟らかい。蓄積が少ない為、量産家具には使われず突板にされて表面の装飾に使われる。オニグルミの樹幹に鉄物を打ち込むと材色が濃くなると言われ、蘇鉄と同様に「鉄を食う木」と言われている。樹皮は染色に用いる。果実は核の中の子葉を食用とし、また油を搾る。ただ日本でクルミの実として売られているのは果実を目的として栽培されているテウチグルミ(Juglans regia var. orientis )から採れるものである。

 

【その他色調等】:年輪はやや不明瞭。表面仕上は良好。斑の模様不明瞭。柔らかい優しい雰囲気が特徴。道管の直径が大きい為肌目は粗い。独特の光沢を持つ。濃色の不規則な縞が出ることがある。

【その他性質等】:粘りがあり、狂いが少ない。硬さにばらつきがあり、安定的に硬い材を揃えるのは困難である。

【その他加工等】:材に油を染込ませて良く拭くと、家具の仕上げ色として有名なウォルナット調仕上と言われる美しい艶がでる。

【立木での性質等】:樹高20~30m、樹径0.7~1.0m。主に山中の湿地に生え、あまり大径木にはならない。

 

*1:学名の「var.」(変種を意味するようです)を「ssp.」(または「subsp.」)(亜種を意味するようです)とする資料もありました。